これを超えるWEB動画は見たことがない
僕はテレビやネットで活動する放送作家です。
映像をつくることが本業なので、日々腐るほど動画を見ています。
今まで見てきた中で、あるWEB動画がずば抜けて大好きなので、その映像を紹介させてください!!(※僕が作った作品ではない 涙)
その映像とは、「沿線Runner(ランナー)」という西日本鉄道さんが作ったWEB動画。
内容を簡潔にいうと、西日本鉄道の運転士28人が鉄道&バスの沿線をひたすら走る姿を撮影したドキュメントです。
動画では、福岡県太宰府天満宮からスタートし、制帽をたすき代わりに駅から駅、バス停からバス停とつないで、43.6km先のゴールを目指します。
この動画はYouTubeで30万回再生なのですが、本来もっと数字が伸びて良い動画だと思っています。詳しくは、動画を見てください!(2分36秒)
では、何が凄いのかを少しだけ解説させていただきます。
まず、運転士が制服で街中をダッシュしている画に引きがある。
街中で、こんな運転士を見たことがないです!??違和感しかありません。
どちらかというと、運転士は寡黙でクールなイメージがあるので、あんなに「はぁはぁ〜」言っているのを見ると急に親近感が芽生えます。おそらく、この動画を見た視聴者は、西日本鉄道への好感度が上がっているはずです。
一見アホそうなことをやっている様で、ブランディングに成功しています。
そして、沿線を走ることで、沿線沿いの街をPRすることにも成功しています。
そして、1番凄いのが制作費の安さ・・・。
出演者がほぼ全て社員。そのうえ街を走るだけなので、大きくお金がかかる要素がないんです!!おそらく、コスパ史上No. 1のPR動画です。
そして、動画のオチのセリフもしびれました。
息をきらし、ゴールにたどり着いた運転士が一言。
「この距離(43.6km)を走るときついので、電車かバスに乗りましょう」
全員が心の中で「知っとるわ!」とツッコんだと思います。
でも、最後のセリフで初めて、ただ話題性を狙ったエキセントリックな動画ではなく、しっかりとメッセージ性のある動画だったと気づくことになります。
企業PR動画って、結構拒否反応をおこす人が多いのですが、ここまで出演者全員でボケきられると(43.6km走る)、PRに嫌味がないです。
※あと、カット割りが凄く丁寧に作るなどテクニカルな面も凄いです
ほんとに良いPR動画です!!