見出し画像

侵攻を許したメルケル氏

 昨年の12月に引退してから、正式なインタビューはこれが2回目だ。一貫して自己の政治スタンスに間違い、後悔はないと言い続けている。しかし、今回は完全にこれを覆すかのような弱気の姿勢を見せている。状況的に彼女を世界は必要としていなかった、従って、「ミンスク合意2」のまとめが実現できなかった訳だ。『それを実現するだけの力が、自分にはなかった・秋になれば(私は)いなくなると、みんな知っていたので・パワー・ポリティクスの観点から言えば、私はもうおしまいだった。プーチンにとって大事なのはパワー(権力)だけだ』。これが侵攻背景の全てとは言わないまでも多くを語っている。

プーチンはメルケルの手の内を全て把握していた、彼女はソフトパワーを政治の原動力として戦ってきた。クリスチャンとして最大限の力を発揮した、移民受け入れ政策も然り、しかし、結果は全て彼女の求心力を弱める方向性でしか具現していかなかった。それをプーチンは見抜いていたのだ。
ドイツは動かないと、そして、現実もそうなっている。また、マクロンも完全にプーチンを見誤った。彼には「侵略」という言葉は喪失していたのだ。ジョンソンは、彼は最後まで「ロシアの侵攻はない」と主張していたと発言している。そんな2人が「ミンスク合意2」での打開を図れる訳がない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?