「昆布」はなくなる
消費量の多い真昆布の漁獲量99%の養殖にも海水温の上昇で成熟が止まった影響で収穫ができない状態だと記事になっていたが、近隣漁場での資源量不足が原因でコンブ漁の中止に追い込まれたと報道されている。食生活の主産物ではないものの、日本食文化の欠かせない原料として貴重な海産物だ。ここにきて日本も一気に気候変動の影響をあらゆる現象を通じて体感する年になっている。
サケ・イカ・カニの異変も然ることながら、昆布は特に海水温度に影響を受けやすい。それは海水温の上昇が流氷を速めて昆布の生息地に押し寄せ氷塊で根を切ってしまうからだ。この現象は以前からあったが今年は異常だということだ。その都度、政府は漁業組合に補償をおこなっている。
さらに悪い事に、北方領土周辺でのロシアへの捕獲協定使用料を払っているにも関わらず、操業停止通達を出してきたことだ。理由は貝殻島灯台修理になっているが明かに政治的強硬手段である。専門家は『温暖化で近海コンブは2090年代には消滅する』と述べているが、庶民が口に出来なくなる時期は2060年までにやってくると思う。
現在、あらゆる食産物に関して大手企業が代替食品を考案中だが、果たしてそれで食文化は守れるかという問題だ。温暖化に対処するのは、国レベルでは手遅れになっている、個人の問題として扱わないと危機は現実になる。