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内閣府が掲げている「ムーンショット目標」"目標2"
内閣府が掲げている「ムーンショット目標」の目標2について今回は考えてみたいと思います。まず、内閣府が掲げている「ムーンショット目標」の目標2についてはどのようなものかをまとめていきます。
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2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
上記の内容を目標2としています。2050年までに超早期の疾患予測と介入を実現することを目指して、この目標の具体的なターゲットは以下の形となります。
疾患予測のためのシステムの確立
人間の臓器間の全体的な機能ネットワークの統合分析を通じて、疾患の発症を抑制し、予防するために、病気の予測と無症状状態の評価のシステムを確立する。
無症状状態から健康状態への転換戦略の開発
臓器間の包括的ネットワークを考慮し、生涯にわたる人間生理学の機能変化を明確にすることに基づく戦略を開発する。
予測と介入方法の革新と特定
疾患関連のネットワーク構造を特定し、予測と介入のための革新的な方法を確立する。
人間の臓器間のネットワークの理解
2030年までに人間の臓器間の包括的なネットワークを理解することを目指し、それによって2050年までに他のターゲットを達成する。
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背景
日本は、高齢化・人口減少、極端な自然災害、地球規模の気候変動といった多くの難題に直面しています。これらの問題は科学技術によって解決されるべきであり、社会により良い未来をもたらすために取り組む必要があります。
日本国外では、欧州連合、アメリカ合衆国、中国などが、過去には考えられなかった方法で困難な社会問題の解決を目指して、革新的なイノベーションを導入しようとしています。これらの国々は、日本よりも大規模な投資により、高リスク・高インパクトの研究開発を加速しています。
このような背景を踏まえ、新しいムーンショット研究開発プログラムは、日本からの革新的なイノベーションを創出し、既存技術の単なる延長線上にない、革命的なコンセプトに基づく挑戦的な研究開発を促進することを目指しています。
▼参考記事
ビジョンとエリア
政府は、解決が困難だが一度解決すれば大きな影響を与える社会問題に対して、野心的な目標とコンセプトを設定しています。
国内外のトップクラスの研究者をプロジェクトマネージャーとして募集し、複数のプロジェクトを監督するプログラムディレクターの指導の下で活動します。
プログラム全体を見渡しながら、失敗を恐れずに挑戦的な研究開発を促進し、段階的に柔軟にポートフォリオをレビューし、研究開発の成果の活用を積極的に奨励します。
最先端の研究支援システムをデータ管理インフラを活用して構築します。
目標設定
研究開発が促進されるべき分野と領域を定義する研究開発コンセプトを策定し、関連する省庁と協力してムーンショット目標を達成します。
CASまたはCAOと連携し、戦略的かつ集中的に関連する研究開発を推進し、戦略推進協議会での議論に基づいてムーンショット目標を達成するための指示を関連する研究促進機関に与えます。
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仮説と検証 (IVYX INCにて)
想定できる仮説と検証のポイントは以下の点と考えられます。
⚫︎技術革新のペース
現在の医療技術と生物学的知識の発展速度を考えると、2050年までに超早期疾患予測と介入が実現可能かどうかを検証する。
⚫︎データ統合と分析の複雑さ
人間の臓器間の機能ネットワークを統合的に分析することの複雑さを考慮し、これが目標達成にどの程度の障害となり得るかを仮説立てする。
⚫︎国際協力の重要性
このような野心的なプロジェクトは、世界中の研究者や機関の協力なしには実現が困難であるため、国際協力の程度が成功にどのように影響するかを検討する。
⚫︎資金調達とリソース配分
目標達成に必要な資金とリソースが適切に配分され、継続的に確保されるかどうかを検証する。
2つの未来シナリオ
シナリオ1 目標達成
技術の飛躍的進歩:新しいバイオマーカーの発見と人工知能によるデータ分析の進化が、超早期の疾患予測を可能にします。
国際協力の強化:世界中の研究者が協力し、知見と資源を共有することで、研究の進歩が加速します。
社会的影響:疾患の予防と治療が劇的に改善し、健康寿命が延びることで社会全体の福祉が向上します。
シナリオ2: 目標未達
技術的な限界:必要な技術の進展が遅れ、臓器間の複雑なネットワークの理解が未完成に終わります。
資源の不足:十分な資金調達や国際協力が得られず、研究開発が遅れます。
代替的な進歩:目標2の直接的な達成は困難でも、関連する研究は他の医学的発見や技術革新を促進します。
前回の"目標1”についても書いていますので、合わせて読んでみてくださいね。10-20年後の日本の動きが読みやすくなります。
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