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正しい弱さ

受け止めてもらえないとわかっていても、問われれば正直な気持ちを伝えたいと思ってしまう。

経験的にこの人はそうそう他人に同調しないとわかっているから、期待していた答えを得られないとしてもそんなに傷つかない。

確固たる自分がありすぎるから自分で体得した真理を振りかざすのだと思う。

さらにその強さでもってこちらを同じ色に染めようとする。

だから私は精一杯自分の砦を守りながら、この人の色をほんの少しだけ混ぜる道を選ぶしかない。

私自身の色が限りなく白に近ければ、どんな色に浸されようとも決してくぐもらないと信じてしなやかに協調するしかない。

相手が入り込める余白をいくらか残して、自分らしく日々を綴っていけば、そんなに苦しくはないだろう。

私は強くない。
だからこうして苦悩を人に語るのだ。
何の解決にもならないと知っていても語らずにいられない。

時にずるい自分がいたとしても、それは今の苦しみを乗り越えるための一時的な避難だと思えば心は汚れない。
そうやってしのぐことで次に繋がる糸口が見つかるのなら、それは正しい弱さだと思う。

人の心は複雑で、深く関わるほどに煩わしさは増すばかりだ。

思うようにならない日々は続く。
抗う心を持ち続けるのはつらい時もある。

時々少し諦めて、きゅっと口角を上げて、前向きにどうだっていいと思えたらいい。

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