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【最新版】ITサービスマネジメントツールの選び方

今回のテーマは、ITサービスマネジメントツール(以下、ITSMツール)の選び方です。

ITSMツールを取り巻く環境は大きく変化しており、それに伴い、ITSMツールの選定基準も従来とは異なってきています。
本記事では、ITSMの専門家として多くの企業のツール選定を支援してきた当社の知見をもとに、最適なITSMツールの選定ポイントについて解説します。


1. ITSMツールを取り巻く環境の変化

ITサービスマネジメント(ITSM)ツール市場は、長年にわたって成熟した市場と見なされてきました。しかし、過去10年間で市場環境は大きく変化しています。かつて「Big4」と呼ばれていた主要なITSMツールは、買収や市場撤退を経て、ラインナップが様変わりしました。また、SaaS(Software as a Service)型の製品が主流となり、オンプレミス型の製品は検討の候補にもならなくなりました。

さらに、近年では生成AIをはじめとする新たなテクノロジーの進化がITSMツールにも影響を及ぼしています。(生成AIがITSMに与える影響についてはこちらの記事も参照してください。)

現在ITSMツールの導入/更改を検討されている方は、このような変化を踏まえて、ITSMツールを選定していくことが求められます。

2. ITSMツールの選定基準

ITSMツールの比較・評価を行うためには、適切な選定基準を設定することが重要です。
例えば、以下のような観点に基づく選定基準を作成し、自社の要件に応じた重み付けを行い、評価を実施するのが一般的です。

機能面

  • ベストプラクティスで求められる機能の充足性

  • ワークフローの柔軟性

  • 自動化機能の充実度

  • サービスポータル/サービスカタログの使いやすさ

  • CMDB(構成管理データベース)の機能

  • レポート・ダッシュボードの機能 など

非機能面

  • 可用性

  • セキュリティ

  • 運用・保守性

  • 拡張性

  • 移行性 など

その他の観点

  • コスト(初期費用、ライセンス費用、運用費用)

  • 提供企業の信頼性(サポート体制、導入実績)

  • 製品の将来性(製品ロードマップの明確性)

3. 「拡張性」が重要な評価観点に

市場環境の変化により、ITSMツール選定時の評価基準の重み付けも変化しています。
ITSMツールの基本的な機能面では大きな差異がなくなっているため、今後のツール選定においては、特に「拡張性」が重要になると考えます。

拡張性には以下のような観点があります。

  • プラットフォーム拡張性:生成AIや高度な自動化機能、データ分析機能など、将来的な機能追加の計画(ロードマップ)があるか

  • プロセス拡張性:インシデント管理や変更管理といったIT運用領域にとどまらず、企画や開発など、それ以外の領域に展開できるか

  • システム拡張性:関連する既存ツール(監視ツール、自動化ツール、開発管理ツール、他のITSMツール、CI/CDツールなど)との連携が容易か

  • グローバル拡張性:多言語対応や各国の規制に準拠した運用が可能か

これらの観点を考慮し、自社の現在と中長期的な要件と照らし合わせることで、最適なツール選定の道筋が見えてきます。

4. まとめ

  • ITSMツール市場は成熟した市場であるが、最近の環境変化は目覚ましい

  • ITSMツールの「拡張性」が今後重要なツール選定の観点になる

  • 拡張性の要件次第で選定すべきツールは異なるので、自社の要件を見極めて最適なツールを選定しよう

5. おわりに

いかがでしたか?

当社では、本記事のテーマであるITSMツールの選定・導入・活用を支援するコンサルティングサービスを提供しています。
ツール選定においては、客観的な観点から、選定基準の策定、各種製品の情報提供、ツール評価の支援が可能です。
ご興味ある方は是非お問い合わせください。

お問い合わせ先:https://iv-experts.co.jp/contact/
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以上

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