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共感力って上がりますか?

 みなさん、こんにちは。井内 正博です。ご訪問いただき、ありがとうございます。

 お困りごとファイル006は「共感力って上がりますか?」です。
 職場のコミュニケーションに不安を感じている方からのご質問です。結論から言えば、上がります。そして共感力を上げる最短の方法は、傾聴スキルを上げることです。傾聴スキルの中でも『オウム返し』は比較的簡単なので、ぜひ、試してみてはいかがでしょうか?

 みなさん、ご存じの通り、オウム返しとは相手の言葉をそのまま繰り返すことです。たとえば相手が「コロナになって大変だった」と言ったら、「大変でしたね」と繰り返す。「スマホを無くしてしまった」と言ったら、「スマホを無くされたんですね」と繰り返す。オウム返しをされると相手は、「自分の話をしっかり聴いてくれている」「共感してくれているんだな」という安心感を持ちます。わざとらしいのは逆効果になることもありますので気を付けましょう。

 オウム返しには大きく2つの効果がありますが、何を繰り返すかによって効果が変わります。たとえば相手が、
「子どもがコロナになって、大変でした」
と言ったとき、何を繰り返せばいいのでしょうか? この文章は、
「子どもがコロナになった」
という事柄と、
「大変でした」
という感情で構成されています。
「お子さんがコロナにかかったんですね」
と返すのと、
「それは大変でしたね」
と返すのとでは、どちらが共感している感じがあるでしょうか? 後者ですね。前者は事柄にフォーカスしていて、後者は感情にフォーカスしています。共感力を上げたいのであれば、感情にフォーカスしてオウム返ししてみましょう。

 2つめの効果は、相手の言っていることをしっかり確認できる点です。たとえば相手が、
「免許証が入った茶色の財布を落としてしまって、困っているんです」
と言ったとき、何を繰り返せばいいのでしょうか? この文章は、
「免許証が入った茶色の財布を落としてしまった」
という事柄と、
「困っている」
という感情で構成されています。この財布を探そうとするならば、
「免許証が入った茶色の財布を落としたんですね」
と返すのと、
「それはお困りですね」
と返すのとでは、どちらが適切でしょうか? 前者ですね。前者は事柄にフォーカスしていて、後者は感情にフォーカスしています。相手の言った内容をしっかり確認したいのであれば、事柄にフォーカスしてオウム返ししてみましょう。


 最後に少し、今回のテーマである「共感」について考えてみましょう。「共感」に似た言葉に「同感」や「同情」があります。
 
 同感は、相手の意見や考えが自分と同じであると認識することです。つまり、相手の意見や考えに賛成か反対かで答えるときに「賛成」と答えるのであれば同感になります。
 共感は、相手の意見や考えに賛成か反対かは関係ありません。相手に賛成できない場合でも、
「なるほど、あなたはそのように考えているのですね」
と受け止めることを共感といいます。
 同情は、相手の話を聞いたときに、同じような自分の体験を思い起こして相手の感情や気持ちを理解しようとすることです。同じような体験をしたことが無くても、想像だけで同情することができる場合もあります。同情は、どちらかというと、相手に対して「気の毒だなあ」「かわいそうに」といった哀れみを伴うのが特徴です。相手の楽しい話や成功談を聞いて同情するということはないでしょう。

 いかがでしたか?
 共感力を上げるなら、ぜひ、相手の感情にフォーカスしてオウム返しを試してみてください。

 
 


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