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脂性肌のためのニキビケア Part2

ニキビ肌の改善には、出来てしまったニキビを皮膚科で治療しながら、新しくニキビを作らせないよう予防していくことが大切です。飲み薬として抗生物質を処方されることもあると思いますが、ずっと飲み続けるわけにもいきませんし、せっかく治療しても、次から次へとニキビができてしまってはわれわれの戦いが終わりません。Part2ではニキビがなんで出来るのかを確認していきましょう。

1)ニキビってなんだろう

そもそも、ニキビはどうしてできてしまうのでしょうか? 思春期ニキビ、大人ニキビ、吹き出物。色んな呼び方がありますが、じつはニキビそれ自体は同じものです。ニキビができる仕組みを見てみましょう。

画像出典:chocola.comあなたとキレイと元気を応援するチェコラドットコム

ステージ1:角質が厚くなり、毛穴をふさぐ
ステージ2:皮脂が中につまる(=いわゆるコメド、白ニキビ)。肌の常在      菌であるアクネ菌は皮脂が大好きなので、ここでアクネ菌が増殖します。
ステージ3:毛穴の中や周りに血白球?が集まり、アクネ菌を攻撃しだします(=赤ニキビ)。
 
ニキビの原因はアクネ菌というイメージがありますが、実はニキビ肌の人に特別アクネ菌が多いわけではありません。アクネ菌は常在菌の一つで好油性(つまり油が大好き)です。油があると集まり、皮脂を遊離脂肪酸というものに分解するのですが、これが毛穴をつまらせてしまう原因になります。脂性肌がニキビになりやすいのはこのためと思いますが、アクネ菌それ自体が問題ではないんです。
つまり、ニキビとは何か?といえば、それは「毛穴が皮脂などでふさがって、その中でアクネ菌が増殖し、炎症をおこしたもの」なんです。
 
ちなみに、ネットで肌の部位別に原因を書いたものが出回っていますが(例:ほっぺにできるのは胃腸が悪い、あごはストレス等)、ニキビと内臓の関係を示したエビデンスはありませんので眉唾です。皮膚科の先生方も否定していますので注意しましょう。

2)ニキビができにくいお肌とは?~お肌の仕組みを知る~

ニキビは「毛穴が皮脂などでふさがって、その中でアクネ菌が増殖し、炎症をおこしたもの」。ということは、毛穴を詰まらせなければ、そもそもニキビはできません。アクネ菌があっても、脂性肌で油が多くても、毛穴が詰まらなけばお肌はきれいなまま。つまり、きれいな肌(ニキビができない肌)とは、毛穴がつまりにくい肌、ということになりますよね。
 
では、毛穴がつまりにくい肌になるためにはどうすればいいのでしょう?
そのためには、お肌がどんなふうにみずみずしさを保っているのか、知っておくと役に立ちます。下図は皮膚の断面図です。

肌の断面図

皮膚というのは、ほんの数ミリしかありませんが、その数ミリはいくつかの層で構成されています。
それぞれの層は「うるおい成分」を含んでいて、そのおかげで水分のある、みずみずしいお肌が保たれます。これは、バリア機能(外部からの刺激に対して肌を守り、水分が逃げるのを防ぐ働き)と呼ばれています。
ちなみに、いちばん表面の「角質層」はわずか0.02ミリしかありませんが、体から角質層がすべて失われると、水分喪失で人間は24時間も生きていられないそうです。大変。
 
さて、このお肌の奥、「真皮」ではたえず新しい細胞が作られ、エレベーターのように上へ上へと昇ってきます。いちばん上(角質層)まで来た細胞は固くなり(角化)、やがて剥がれ落ちます。「ターンオーバー」とよく耳にすると思いますが、この細胞がだんだん入れ替わっていくサイクルのことをターンオーバーと呼び、約4週間かかると言われています。
 
たまに、肌が乾燥したりすると、表面に白いトゲ状のピラピラが現れることがありますが、このピラピラがまさに角質。本来なら自然とはがれる角質がうまく剥がれ落ちず、お肌に残ってしまっている状態です。ほっておくと、その上に皮脂がついたりして角栓の原因になったりします。

3)ニキビ肌はなにが違うの?

実は、ニキビ肌はこのバリア機能が弱い状態にあります。
バリア機能はうるおいを保つ力なので、それが弱いと、水分が蒸発しやすく、乾いていて硬いお肌になります。すると、毛穴が開いた状態で固定され、そこに皮脂などが詰まりやすくなるのはなんとなくイメージがつくのではないでしょうか。
 
ニキビの原因は、体質、ホルモンバランス、生活習慣と原因がさまざまで特定が難しいのですが、トラブル続きのニキビ肌はだいたいがターンオーバーが乱れています。ターンオーバーが正常でないと、まだ未熟で育ちの悪い細胞のまま、上の層まで登ってきてしまいます。未熟者なので、うるおいを保つ力があまりなく、肌はバリア機能の弱い状態になります。すると、脂性肌の場合は油がたっぷりあるので、バリア機能が弱い⇒毛穴がつまりやすい⇒ニキビができやすい、という不幸のメカニズムができあがってしまうのです。
 
つまり、逆にいうと、このターンオーバーを正常にすると、お肌をみずみずしく健康に保つことができます。ターンオーバーを正常にし、毛穴のつまりにくい状態にもっていくことで、ニキビ肌を改善していくことができるのです。なお、このターンオーバーを整えて角質層(コルネオサイト)を健康な状態にするという考え方を一般にコルネオセラピーと言います。
 
1回のターンオーバーですべてサイクルが正常になることはないのですが、肌を育てるつもりで、根気よくスキンケアを続けていくと、実際にだんだんと肌がもちっと柔らかくなるのが分かります。健康なお肌ってふっくらやわらかいんです。ニキビ肌は乾燥してて硬い。自分の持っている肌本来の機能を活かして、健康な状態を保てるようサポートしてあげると、肌質が変わっていくのを感じられると思います。
 
では、どういうスキンケアをすると健康な肌へのサポートができるのか?
次は、具体的なスキンケアについて続きます。

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