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【解説】竹田青嗣『欲望論』

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現在、英訳プロジェクトが進行中の本書。 世界で読まれるようになれば、おそらく哲学史における「事件」と言われることになるかと思います。 でも、天才は理解されるまでに時間がかかる…
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#ニーチェ

【解説】竹田青嗣『欲望論』(1)〜イントロダクション〜

はじめに 「苫野一徳オンラインゼミ」に掲載している「名著紹介・解説」コーナーより、竹田青…

ittokutomano
3年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(2)〜哲学2500年の根本問題「形而上学的独断論 VS 相対…

1.哲学と普遍戦争 それでは、本書の解説を進めていこう。  序文において、竹田は本書のモ…

ittokutomano
3年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(3)〜近代哲学は「本体」をどう考えたか

1.カントの「物自体」 近代になって、「本体」の観念はカントの「物自体」の概念によく表さ…

ittokutomano
3年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(4)〜ニーチェ、フッサールによって、ついに問題の解明…

1.ニーチェによる「本体論」の解体 こうして、ついにニーチェによる「本体論」の解体が哲学…

ittokutomano
3年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(5)〜フッサール現象学の原理

1.フッサール現象学の原理 形而上学的独断論と、相対主義。  これら双方の対立を完全に終…

ittokutomano
3年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(7)現代哲学は、結局ふたたび「独断論的形而上学 VS 相…

1.現代の相対主義 フッサールが終わらせたはずの形而上学的独断論と相対主義の対立は、弟子…

ittokutomano
3年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(8)〜言語論的転回の「錯覚」

1.現代の言語哲学 前回は、現代哲学においても、結局変わることなく繰り返されている「形而上学的独断論 VS 相対主義」の見取り図を述べた。  今回は、その中身を少し詳しく見ていくことにしよう。  まずは、現代の言語哲学について。  竹田は初めに次のような挑発的なことを述べる。 「言語論的転回」というかけ声とともに、伝統的な認識の構図と諸概念は完全に顛倒されるというマニフェストが発せられた。しかしこれ以上馬鹿げた錯覚はありえない。むしろそこに現われたのは、正確に、「独対