【解説】竹田青嗣『欲望論』(8)〜言語論的転回の「錯覚」
1.現代の言語哲学 前回は、現代哲学においても、結局変わることなく繰り返されている「形而上学的独断論 VS 相対主義」の見取り図を述べた。
今回は、その中身を少し詳しく見ていくことにしよう。
まずは、現代の言語哲学について。
竹田は初めに次のような挑発的なことを述べる。
「言語論的転回」というかけ声とともに、伝統的な認識の構図と諸概念は完全に顛倒されるというマニフェストが発せられた。しかしこれ以上馬鹿げた錯覚はありえない。むしろそこに現われたのは、正確に、「独対