信じるか信じないかは、あなた次第です
年初から新NISAがスタートし、投資をしていなかった多くの人たちも始められ界隈は大盛況の様相を呈している。
新NISAはこれまでのものから変わり、非課税期間を無期限にし非課税上限額も拡大したりと、ぜひやってください、やらないと損ですよ。と言わんばかりだ。
税金でも保険料でも取れるところから取れ、というのがこの国の方針だと思うと、そんな政府がこれだけ大盤振る舞いするのには、あれこれ思惑があってのことだろうと邪推したくもなる。
一つには、少し前まで騒ぎになっていた「老後2000万円問題」もありそうだ。
それも今では、物価上昇率を加味すると老後4000万円問題になりそう、といったバカげた話になっているけれど。
ごめん、イケると思っていたけれど、やっぱり年金の支給額が足りんわ。
ある程度非課税にしてあげるから、足りない分は自分たちで投資をして後はなんとかして。
と、政府が匙を投げたくらいに、ぼくは思っている。
しかし特段そこに文句を言いたいわけでなければ、すでにいろんな人が解説されている新NISAについて、ここで改めて述べるつもりでもない。
ちなみに、ぼくは新NISAの口座も開いていない。
新NISAがスタートして多くの人が選択したのは、やはりインデックスファンドのS&P500やオルカン(オールカントリー)だった。
あれだけ右肩上がりの最強経済を目の当たりにしたり、安全な分散投資を考えれば、まぁそうなるわな、とは思う。けれどS&P500はもちろん、オルカン = 全世界株式と謳ってはいるけれど、その中身は60%以上が米国株式なんだけれどね。
もともと新NISAが始まる数年前から米国株投資は人気があり、それをする人も増えていた。そこへ新NISAがスタートしたことで、日本人の外国株式(ほぼ米国)への投資がさらに激増することになった。
指摘されている人もおられるけれど、これは円売り・ドル買いと同義なので円安が進む要因の1つになる。つまり新NISAのつみたて投資枠で米国インデックスファンドなどを買われている人は、円売り・ドル買いを恒常的にされていることになる。
みんな、円安による物価高騰で苦しんでいるはずなんだけれど。
そして、ふと政府に対し思う。
確か米国債はETFに組み込まれたもの以外は新NISAで買うことができなかったと思うけれど、新NISAをスタートするにあたり、買えるものを国内株式に限定するとか、考えなかったのかな。
そうでもしないと上述のように、円安を助長することになるのは政府も想定できたと思うのだけれど。
よく見聞きする「日本の借金」という表現(財務省のウェブサイトにもそう掲載されている)は、「日本人の借金」と錯覚させるための財務省とメディアによるミスリード、レトリックだ。
約1200兆円もある債務は「日本政府の借金」であり、債務者は国民でなく日本政府というのが正しい。
そして現在のようにインフレが進み物価が上がれば、円の貨幣価値が下がるので(円安)、この政府債務の価値も下がり彼らの借金が圧縮されることになる。
つまり円安は、政府にとって都合の良い側面も内包している。
また、亡くなった安倍晋三元首相が以前、「日銀は政府の子会社だ」と失言してしまったことがあったけれど、日銀がその責務を「物価の安定を図ること」としながら矛盾するような施策を繰り返しているのを見ていると、その独立性などまったく感じないし、そこには政治力学や思惑が働いているようにしか思えない。
やはり政府主導で意図的に円安へ誘導したいのかな、と訝しく思えてくるんだな。
なんだか都市伝説か、陰謀論みたいになってきちゃったな。
「信じるか信じないかは、あなた次第です」
とりあえず、そういうことにしておこう。
つづく
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