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「楽しい日本」

大方の予想通り、24日の金融政策決定会合で日銀が政策金利を0.25%引き上げ、0.5%になることが決まった。

昨年7月末の利上げの決定、それにより8月の株価暴落を引き起こした反省からか、今回日銀は事前にそれを示唆する発言を繰り返していた。
あとは20日の米大統領就任式でのトランプさんの発言次第だったんだろうけれど、思いのほかトランプさんの大暴れな発言がなかったことを受け、利上げが決定した。
それは既定路線であり市場も織り込んでいたため、今回は特段のサプライズもなかった。また植田総裁も会見に慣れてこられたご様子で、市場を混乱させるような発言もなければ、受け応えも良かった印象を受けた。
が、会見を聞いている限り、今年はまだ1回か2回は利上げを実施されそうな気がする。もちろん今回の利上げも今後の追加利上げにしても、今年の春闘での賃上げを念頭に置いているに違いない。

大丈夫かな

昨年の利上げ決定の際にも日銀は「実質賃金の上昇が見込まれること」を前提としていたはずだけれど、大企業はともかく中小企業は11月までマイナスのままだった。こういった状況で、中小零細企業が実質賃金の上昇を定着させることはできるのかな。

大企業が大卒などの初任給を30万円台に上げてきていることが話題になっている。

連合は、「大企業との賃金格差を是正するため」に今年の春闘で中小企業の賃上げを6%以上に求める方針らしい。厳しいなぁ
経団連や連合の言いたい放題も、それを前提とした日銀の利上げも、中小零細企業を置き去りに突き進んでいる気がしてならない。

また今回の決定後、個人的にかなり気になったことがある。
いくら利上げを織り込んでいたとはいえ一時的に円高に振れたのは、わずか1ドル約154.8円までだった。明らかに円安のままだし、それもその日のうちに約156.6円まで戻している。大統領就任の影響もあるだろうけれど、さすがにこれは日銀、舐められすぎじゃないか。

まだ今後どうなるかわからないけれど、利上げをしたにもかかわらずこの状態というのは、日本国民にとってかなりまずいシナリオになるんじゃないかな。
「物価の安定」が日銀の責務とはいえ彼らが為替の動向を気にしているのは明らかで、このまま今の悪い円安が続くようなら今後さらに利上げの可能性も高くなる。
他に円安の進行を止めることができるとすれば、米国が利下げをするか、為替介入くらいか。後者だとまたすぐに戻りそうだし、これで米国が利下げをしても円安傾向が変わらないようだと、物価高でありながら金利も上がることになる。恐ろしいな。

住宅ローンを抱えている人は今回の利上げも心配だろうけれど、大抵の金融機関は「5年ルール」と「125%ルール」があるので、すぐに支払い額が増えることはおそらくない。それでも利息が増える分、返済している月々の元本分が減るので結果的には返済期間が長くなり、返済する総額は増えることになってしまうと思う。


ぼくはスーパーにもよく行くけれど、お米や野菜、果物、コーヒー豆などが引くほど値上がりしている。また、カカオ豆の高騰でチョコレートも高くなっている。
これだと、ケーキ屋さんのケーキが1個1000円台になるのも時間の問題だろうな(もちろん、ケーキ屋さんだけじゃないけれど)。
それにガソリンや人件費の高騰を考えれば物流コストも上がるから、生活必需品の価格はきっとまだ上がる。
これだけ物価が高騰する中、借入のある中小零細企業が利上げや賃上げに耐えられるのかな。

これじゃあ石破総理の言われる「楽しい日本」になるとは、とても思えないなぁ

もうトランプ大統領の任期が終了したら日本へ来てもらい、「ジャパン・ファースト」で彼に総理大臣をやってもらった方がいいんじゃないの。
その時には、イーロン・マスクさんに経産大臣になってもらおう。


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