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経営本のスゝメ 1.
このご時世、お店を増やすといった考えの人は少ない気がするけれど、それでもお店や会社を始めようとする人はきっとおられると思う。
そこで、前回「ビジョナリーカンパニー」について触れたこともあり、参考になるかわからないけれど今回は、経営本やビジネス書について述べてみることにする。
ぼくは、経営や会計の専門的なことを学校などで体系的に学んだ経験がない。
30歳で店を始めたときも、やりたい店を形にしただけで経営をそれほど意識することもなかった。
それをぼくが明確に意識し始めたのは、2軒目をつくろうと考え始めた頃のこと。
スタッフも増え、ちゃんと経営者にならなアカンな。と思ったぼくは、「時間がつくれるようになったら経営や会計の学校にでも行ってみたい」とも口にしていた。
けれど現実的には、店をしながらというのもなかなか難しい。そこで何かしら教えを乞うとすればやはり本だろう、と考えたぼくはその衝動に突き動かされるまま本屋さんに行った。
だから30代も後半になってから、経営の勉強を独学で始めたことになる。
当然だけれど、本屋さんには何を選べばいいのかわからないほど経営にまつわる本がたくさんあった。物色したり考えあぐねている時間も惜しいと思ったぼくは、とにかく名前を知っている経営者やそれっぽい本を手当たり次第に読むことにした。
決算書の読み方や会計、税金に関する教科書的なものから「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」などの話題になったビジネス書まで読んでみたけれど、最も多く読んだのは、経営者ご自身の著作や伝記、評伝、実名小説といった経営者ものだった。
王道の松下幸之助さんから本田宗一郎さん、稲盛和夫さん、藤田田さん、堤義明さん、出井伸之さん、孫正義さん、柳井正さん、永守重信さん、鈴木敏文さん、安部修仁さん、原田泳幸さん、成毛眞さん、星野佳路さん、渡邉美樹さん・・・
他にもユニクロや無印良品、成城石井で活躍され小売業のカリスマと呼ばれた大久保恒夫さんやグッドウィルの折口さん、一時期六本木界隈を賑わせたホリエモンこと堀江さん、サイバーエージェントの藤田さん、楽天の三木谷さん、テイクアンドギヴ・ニーズの野尻さん・・・と、年代やジャンルを問わず経営者のものであればとにかく読んだ。
板倉雄一郎さんの「社長失格 ぼくの会社がつぶれた理由」は、めっちゃおもしろかった覚えがあるし、ぼくは別段、三木谷さんのファンでもなければ憧れの対象でもないけれど、著書の中に出てくる「『既成事実』が世の中を変える」という言葉にはシビれたものだった。
そういえば、「勝てば官軍(負ければ賊軍)」という言葉を知ったのも、藤田田さんの著書だったなぁ。
今ではすっかり経営本などは読まなくなったけれど、あの頃の数年間は読みたい小説などを我慢してでもとにかく経営本を読み漁った。時間があるだけ、それも寝落ちするまで読み続けていたので、いつも起きると床には読みかけの本が落ちていた。
手当たり次第に読んでいたから玉石混交で、中には首を傾げるようなものもあるのだけれど、それでも書籍化されるくらいだから大抵何かしらの学びが1つ、2つくらいはある。それがたとえ1行だけだったとしても琴線に触れるものがあれば、その本を買ったことや読むために費やした時間をぼくが後悔をすることはなかった。
そのたった1行が、気づきやその後の指針となったものだってある。
そして、ジャンルがバラバラで「経営者」という脈絡しかないこれらの本をむさぼるように読んでいたのには、もちろんぼくなりの目的があった。
それについては、また明日。