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酔いしれる

毎年行っている、夏祭りに
今年は行けなかった
寝癖を必死に抑えながら
季節外れの涼しさに後ろ髪を引かれ
今日も都会に出る

左足が少し痺れてる
雰囲気だけが美しい世界の暗い隅っこを探して
ベストフィットする体勢を探して
そこにハマることで
自分の未熟さと甘ったる考えを棚に上げ
人とは違うとたかを括る

クソみたいにありふれた
センター分けの髪型野郎たちと
押し合い圧し合い電車に乗り、
不満と心配の混じり合った獣のような匂いに
鼻をつつかれ、
今後の生活について考える

コツコツと靴が床を叩く音にせかされ
急に足が回らなくなりつまずく
1日に何回かコケるんだよねと笑う君の顔を思い出す
今日こそはうまく歩けているだろうか

何でもかんでも
恵まれてないとか、あいつはいいよなとか
周りのせいにしてるだけの人生で
何かを得るために何かを犠牲にしていく
そんなかっこいい生き方もできず
ただ酔っぱらって電柱にキスしたり
そのあたりで用を足したり
路傍でゲロを撒き散らし
明日のことは考えずにソファに沈み込む

そんな生活の本当の美しさに
酔いしれていればいい
それでいい

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