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数えて歩く


東京メトロのマス目のタイルを
ひとつずつ飛ばして歩きながら
5分遅れで到着する代々木上原行きが
通勤快速なことに気付き
幸せをひとつ数えた

一通り流し終わったあのバンドの新盤を
頭から再生し直し
歌詞カードを見ないで言葉を追ってみる
空耳で聞こえる愛情の言葉に
クスッと笑える

違う漢字を当てた巧みな言葉に
美しさを感じながら、めんどくさくもなる
もっとバカな言葉で、もっとガキくさく
もっとありのままで、もっとカッコ悪く
この生活を表せたら

台風で学校が休みになることを望んでた
あの日から

ひとつ言葉を覚えるたびに
ひとつ悲しみを感じるたびに
ひとつ幸せを数えるたびに
離れていく

ここからどのくらい離れているのか
単位はないが、多分5万くらいだと思う

なんとなく、拙いカッコ悪い言葉を吐きたい気分で
家系ラーメンにほうれん草トッピングして
短い動画を垂れ流す

この表現を、馬鹿にする人がいるんだけど
別に嫌いにならない
だって、馬鹿だから、この表現
美しくなくて、リアルだから、こうなるんだよね

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