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閉幕直後の今のうちに

オリンピックは唖然とするほどひどい開会式に始まり、半ば期待通りのひどさの閉会式で閉幕した。
乾ききっている上に、ひどく不味いパンに挟まれたサンドイッチのような大会だった。
それでも挟まれた具は、特異な状況下で開催されたことを割り引けばそれなりに上等で、日々飽きることもなく観戦することができた。
何年か過ぎれば「値段の割にしょぼいサンドイッチだったよね」という記憶しか残ってないような予感もするけれど、まだ具の味の記憶がはっきりしている今のうちに、いくつかのことは書いておこうと思う。

写真家の先輩が以前話してくれたことを思い出す。
彼は特定のテーマで日本中を撮影し続けていて、写真集という形で作品を発表している。
先輩は「どうして撮るかって、撮るだけじゃダメなんだよ。作品として発表しなきゃ残らない」と言う。

noteに書く雑文など「作品」と呼ぶようなシロモノではないが、支離滅裂な断片であれ、まとまりもオチもない雑文であれ、「書かれた」ことにすでに意味がある。
単純な感想であれ、違和感であれ、自分の感覚を外へ出しておくことが重要なのだ。頭の中にしまい込まれたままではいずれすり減り、消えてなくなる。
今のうちに、今のうちにと気が急いている。

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