
分離色と、水彩絵具の世界
こんにちは、イツキです。
毎月、ハンドメイドの絵具を練って、頒布しています。
2月販売した新色は、すべてが分離色でした。やっぱり分離色がすきだなあ…としみじみと噛み締めながら練りました。分離色に惹かれてから、はや数年。様々なタイプの分離色があると感じています。
(絵具は「イツキのお品物屋さん」からご覧いただけます)
水彩絵具に於ける分離色とは
まず、水彩絵具に於ける分離色とは、粒子の大きさが異なる顔料を用いることにより、加水し薄めた際、粒の大きさにより色が分かれる色材のことを指します。この粒の選び方が難しく、複雑性が楽しさでもあります。分離させるためには粒の大きさに、差をつけなくてはいけません。また、色同士の色相差も必要です。これらのことから、分離色に使える顔料はある程度限られてしまいます。その中で配合、練り方、色調に工夫を凝らしながら練り上げることになります。
奥深い透明水彩分離色ギャラリー
ということで!まずは、私がこれまでに制作した「ハンドメイド透明水彩絵具」の分離色をご覧いただけたらと思います。
お手元には、このように固形水彩絵具の状態でお届けいたします。

上記のような固形透明水彩絵具を、たっぷりの水で加水して薄めます。
薄めるほどに色が広がり、色分かれしていきます。




水たまりもまた、かわいらしい。

どのような色味であるか、一言で表現できない。


下塗りにも面白い。


「はちみつレモンコーヒー」
多用する色である茶色に、複雑性を絡ませることができる

このような繊細な色は
同じ色を二度練り上げることが大変難しい

複雑な色が織り交ざって見える

ややくすみ感があり、大人びている

濡れから、乾きの間に
分離の色味は様々に表情を変える

重い顔料が凝って留まっている
その様子もまた愛らしい
紙によって表情を変えるので様々に楽しめる

様々な色を用いているが
良く混ざっており、よく広がって分離している
色合いも良く、満足に仕上がっている(自画自賛でごめんなさい)

私の分離色である

季節感を感じさせる色を目指した

同じ顔料の組み合わせでも
練り方や分量により仕上がりが異なる

ラメを使えば、表現の幅が広がる
基本的には顔料のみで練り上げるのが好みだが
アナログならではの輝きを感じるラメは
絵具作りに欠かすことができない

少しずつ表情が異なっていて
それもまた愛らしい

奥行きを感じる
やや茫洋とした質感が、あわくレトロでよい
こればかりは現物を見ていただかないと分かりづらい

黄土色という色は、案外難しい
何に用いるかによって色調が違うので
様々な色を準備しておかねばならない
黄色を馴染ませたこの色は下地にも向いている

ひとつひとつ仕上がりを確認する作業も楽しい

爽やかさを演出したかった
狙い通りに初夏の色に仕上がった
お気に入りの作品

私流のランダムグレイを練り上げた
この色はまたチャレンジしたい

使いやすい色にしたい
激しさのない色にしたい
落ち着いて作品を演出する色にしたい
作品づくりの手助けをしたい
作品を描く事そのものが楽しいと思えるような
そんな色がいい
主張しなくていい

濃いように思えて大変使いやすい
とある作家さんが雑誌に掲載する作品に
この色を使ってくださった
涙がでるほどうれしかった

使い勝手の幅が広がる
どうやっても奥深さと渋みを出すことができる
お絵描きがうまくいく
そうすると、自然と絵を描くのが楽しくなる

色相的には対照色であるが
絵具としてなじませてみると、よく引き立て合うのがわかる
色彩理論で言えば、派手な組み合わせであるが
色彩理論をうのみにして配色してはいけない
紙の上に並べて、はじめてその調子がわかる


白をなじませて、ぼやりと遠い光のようなイメージに仕上げた

配色にまよったら、是非紺と桃色をやってみてください


このような華やかな青もまたいい
華やかだけれども奥行きがあり、分離もする
そんな色が手元に欲しい

並べるだけでも
一日がたのしい
花を添えながら、ずっと遊べる

この可愛さを言葉にできないので
みてもらうのがいい

紫との配合率がとてもよかった
とてもきれい

時々自分の色味を見つめ直すと
思い返すことがたくさんある
刺激されることがたくさんある

これで力強い絵を描きたいと思った
「こんな絵を描きたい」というイメージをもとに
色を練ることも、よくある
まずイメージを持たねばならない
何をするにも。
偶然に頼るには限界があるのである。

かわいすぎか
とてもいい

木や自然と、肌を合わせられる色がいい

ハチの巣がある木があって
ハチに追われて慌てて逃げた夏の思い出…

ハチに気が付いていなかった

いつでも素朴な色が欲しいけど、
茶色味は得に、幅が広くてやりがいがある

もう一度顔料を手に入れて練りたい
二度目はなかなか難しい

かなり昔の色味もある
昔のことが思い出されて懐かしい
どんな気持ちで練っていたか、その時の雰囲気までよみがえってくる
みなさんのお手元に無事とどいて
どんな作品に役立てていただいているだろうか


一見黒に見える色から、
さまざまな色が分離したときの驚きは印象深い

まるで星雲に浮かぶ星々のように見える
2022年度は、星座シリーズというテーマで毎月絵具を練った
一等星の名前や、目立たない星々の名前まで
さまざまに名付けて、楽しかった
12色練り上げて、やり遂げた感があった

どうしてこんなに相性がいいのか
色相環で言えばオレンジと青で補色である
実際にはこんなに引き立て合っている

何度かリトライしたが
この色に仕上がらなかった

やさしい絵にも、派手な絵にもなる