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特技は四つ葉のクローバー探し

子どもの頃、時間を忘れて夢中になったことはたくさんあった。本を読むこと、ゲームをすること、友達とおしゃべりすること。
なかでも私がとくに夢中になったのは「四つ葉のクローバー探し」だった。

春から夏にかけて、シロツメクサが群生しているのを見つけると、ついしゃがんで目を凝らしてしまう。4、5歳の頃から40歳になった今まで、その行為はずっと変わらない。好きとか楽しいという感覚はもはやなく、習慣化された癖のようなものだ。

そもそも、間違い探しが好きだった。
幼稚園の友達の家にあった「ウォーリーを探せ」にドハマリし、友達がままごとやシルバニアで遊んでいる傍ら、ひたすらウォーリーやアイテムを探していた。みんなが見つけるのに苦労するカギや骨をすぐに見つけ出すのでほめられた。
活字本を読んでいても、誤字脱字にすぐ気づく。校正の仕事に就いたらと言われるくらい、間違いを見つけるのが得意だった。

四つ葉のクローバーを見つけると幸せになれる言い伝えは誰もが知っている。幸せになりたいことよりも、見つけるといいことが起こりそうなわくわく感があった。
小学生のときは、四つ葉をたくさん集め、押し花にしていた。
中学生以上になると、さすがに集めることはしなくなったが、見つけたら引っこ抜いて友達によくあげていた。同級生から「四つ葉を見つける名人」と言われていた。わざわざ、四つ葉を見つけて欲しいと頼んでくる後輩もいたくらい、地元では有名だった。

四つ葉を見つけるコツは、ひとつの群生のかたまりに時間をかけないこと。
15秒くらいでざっと見渡しても感じるものがなかったら、そこにはない。さっさと次のかたまりへ行く。
なぜと言われても、こればかりは第六感としかいいようがない。なんとなく、ここありそうだなと思うと本当にある。

大人になって知ったことだが、四つ葉になる要因は、踏まれることなどの物理的な刺激で、葉の成長点が傷つくことにあるらしい。確かに、踏みつぶされている感じのところに四つ葉がよくある。
そして、1つ見つけると、近くにまたあることが多い。
先日行った公園で、やたら四つ葉が群生している場所があった。

四つ葉の大群。合成じゃないよ。

これだけ四つ葉が多いと、正直ありがたみが感じられない。
それに、私はだいぶ前から四つ葉には興味がない。私がいつも探すのは五つ葉以上のクローバーだ。

初めて五つ葉以上のクローバーを見つけたのは、小学生の頃。
山菜取りをする父に連れて行かれた山で、五つ葉と七つ葉のクローバーを見つけた。私が見つけた多葉のクローバーはそのときの七つ葉が最高だ。
発生率を調べてみると、四つ葉は1万分の1、五つ葉は100万分の1、六つ葉は1600万分の1、七つ葉は2億5000万分の1だそうだ。(七つ葉、すごい確率。取っておけばよかった……)
ちなみに、四つ葉が幸運を表すのに対し、五つ葉は金運、六つ葉は地位や名声、七つ葉は無限の幸福を表す。
※四つ葉には幸福のほかに、復讐という花言葉もあります

これは余談だが、私がハンドルネームにしている「イツハ」は五つ葉のクローバーが由来だ。
私は中学の頃から小説や詩を趣味で書いていて、その頃に「五葉」とペンネームをつけた。七つ葉の方が縁起が良さそうではあるが、貧困家庭で育ったのでとにかく金運に恵まれたかったのと、5月生まれで好きな数字が5だったので五つ葉を選んだ。

HNの由来


みなさんも、シロツメクサの群生を見つけたら、四つ葉のクローバーを探してみてくださいね。
もし、七つ葉以上のクローバーを見つけたら、ぜひ教えてください。







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