繊月

暗闇に続く扉をあけて
そっと鍵をしめた

月灯りを浴びて
星の光をつないだ満月の夜
綺麗ですねと囁いた声
そうですねと呟いた声

あれから17日
暗闇に続く扉はしまったまま

部屋に入り込むつめたい夜風は
残酷なまでに孤独を刺傷する
痛みで記憶が鮮明になる

今宵窓から見えるのは
いまにも折れそうな繊月



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