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いつおかマガジン 第11回 「日々の中で相手や自分を受容するには!?〜受容プログラムについて〜」

「いつでもおかえり」運営です。いつも『いつおかマガジン』をご覧いただきありがとうございます。

株式会社祭では、「いつでもおかえり」のついて説明する「いつおかラジオ」という配信を行っております。今回は、先日配信された弊社代表の清水舞子と産業カウンセラーの高島慎也による弊社が開催する『こころのえいよう講座』についてのまとめをテキストでお送りいたします。

なお、配信内容はこちらから聞くことができますので、興味がありましたら、ぜひお聞きください。

今後の配信については「いつでもおかえり」公式アカウントにて告知を行っておりますので、ぜひフォローしてお待ちいただけると幸いです。

はじめに

[清] 株式会社祭代表の清水です。今日はタイトルに書いている通り「こころのえいよう講座」について産業カウンセラーの高島さんから話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします

[高] 高島です。よろしくお願いいたします。

『こころのえいよう講座』とは?

[清] 「こころのえいよう講座」とはなにか私から説明させてもらいます。高島さんもふくめて「いつでもおかえり」というアプリを作っていて、このアプリの中に『傾聴』という心理学的な要素が組み込まれてるんです。その中でアプリだけじゃなくて、実際に傾聴の講座をやってみて、リアルな生活の場でも活かして欲しいと思って高島さんに開設してもらいました。まずはその内容を教えてもらえますか?

[高] そもそも私は産業カウンセラーの資格を取るためにさまざまな勉強をしたんですが、基本的なことは『傾聴』なんですね。カウンセラー以外の方でも傾聴のノウハウを学ぶことで、自分の人生も相手の人生もよく出来る可能性があるものだと気づきました。具体的には前半は座学みたいな形で傾聴とは何かという説明をして、後半からは参加者同士でワークショップをやっています。最後にこのワークショップで気づいたことを共有して終わりにしています。「相手の話を聞く重要性に気づいて良かった」とか「意外と傾聴は難しい」という感想をいただいています。

資格を取得した理由

[清] ありがとうございます。ところで質問なんですが、高島さんはなぜ産業カウンセラーの資格を取ろうと思ったんですか

[高] 普段は会社員なんですが、仕事をする中で優秀な人たちとたくさん出会ってきました。ただ同時に人間関係の悩みとかで仕事ができなくなり会社に来れなくなった人を何人も見ていて。そういう方に自分が何ができるだろうと考えるようになって産業カウンセラーの勉強をすることにしました。勉強していく中で、心理学というのは相手を知る前に自分自身との向き合い方が大事だったんですね。自分の中を見つめる中で、自分自身をアップデートさせる手段になって、自分を成長させることができたと思っています。

[清] ちょっと意地悪な質問かもしれませんが、優秀な人が仕事に来れなくなった時に「その人の問題」とか考えなかったんでしょうか?

[高] チームというのは同じ船に乗ってる感覚なんです。人が減ってしまうと船が沈んでしまいますよね。と同時にその人が来なくなるとやっぱり悲しいですし、シンプルにつらいです。実務的な面と心理的な面の両方で「なんとかしないと」と思いました。

[清] なるほどですね。次は「高島さんが会社でメンタルをやられなかったのは何が要因だったのでしょうか?」という質問が届いています。 これは気になりますね、確かにね。

[高] なんかいつも「ヘラヘラ楽しそうですね」みたいに言われるんですけど、いや、しっかり悩んでいますよ(笑)。それが落ちきるまで行かなかったのはたとえばバンドをやっていたりキックボクシングしたりとか、自分の中で会社以外の居場所がたくさんあったことですかね。好きなことをやるために頑張りたいみたいなふうに対応できました。

[清] 何かわかるみたいなわからないみたいな…。いろいろと居場所を分散するのがよいといいますけど、私は好きなことを1個だけやっていきたいんですね。

[高] 特性とか性格にもよると思います。起業家の方は24時間365日仕事のことを考えてるじゃないですか。その分散がとても難しい気がします。でも、どこかでホッとする時間を作るのは大事かもしれません。

[清] 確かに切り替えは難しいなと思いつつ、なるほどなと。次の質問は私からなんですが高島さんはメンタルが強いですよね。なにかコツみたいなのはあるんですか?

[高] 自分ではあまり「強い」とは思っていないんですが、それは顔がヘラヘラしているからかな…(笑)。怒られてもヘラヘラしているみたいな。いや、めちゃくちゃ反省してますよ、ただそういう顔なんですよ(笑)。例えばプライドが高すぎて仕事で何か失敗するともうダメだと落ち込んでしまう方とかいますよね。でも、私はあんまりプライドが高くないし、自分への期待値もそんなに高くないので平気なところはあるかもしれません。いや、きちんと凹んではいるのですが、必要以上に凹まない、というのがポイントですね。

[清] 私も凹むとわーんと泣いたりしています。こういう泣いたりする人にも「こころのえいよう講座」って効果があるんでしょうか?

[高] あると思います。やっぱり客観的に物事を見れるって事がすごく大事だと思っていて、人の中のものさしって人それぞれですが、その人のものさしではもうダメだということでも、実際はそうではないことがありますよね。これを受容や傾聴を通していろんなことが客観視できるようになってくるんですね 。「なんか今悲しいな」というときに客観的に見ることで実は悲しくならなくてもいいか、みたいな気づきがあったりします。

カウンセラーをしつつ傾聴もできるか

[清] 次の質問が来ました。「カウンセラーとしての仕事をしながら私生活でも傾聴ってできるものなのでしょうか?線引きしちゃう気がしてしまって」という内容です。

[高] 私は本業がカウンセラーではないのですが、できると思います。

[清] そうなんですか。

[高] カウンセラーとして聞く傾聴は100%カウンセラーモードになっていますが、私生活での傾聴はもう少しライトに聞いています。その人との関係性にもよりますが、カウンセラーだったら基本的に完全なる第三者として聞きますが、 友達とかパートナーとか家族とかだったらもう少し別な立場もあるのかなと。でも、逆にその関係性が邪魔して言えないこともあるので、カウンセリングとか第三者に話すということも大事ですね。

「困っていること」を素直に話すためには?

[清] なるほど、ありがとうございます。これはちょっと難しいですね。次に面白い質問が来ています。「会社の上司が『困ったことがあったら何でも言って来いよ』とか言うんですが、 でもそんなのは無理だと思うんです」という内容でした。なぜそんな事を言うんだろう、みたいなことでしょうか。

[高] そもそもその上司の方自身が話を聞く前提の関係性を作れていない、というのもあるかもしれませんが、でも、役割が固定されるとやっぱり言えることとか言えないことが出てきて、お互いにやりづらさを感じることが出てくるかもしれませんね。でもそういう関係性になるからこそ、より受容や傾聴ができた方がいいなって思うんです。どうすればみんなで幸せになれるかなという方向に行けたらいいと思います。この講座の中で最後に皆さんにこの傾聴で何ができるか考えましょうってやるんですが、使えるところって人それぞれ違うと思うんですよね。職場で使う人もいればパートナーや家族との関係の中で使っていくと変わるという人もいるだろうとか。その中でも、役割が固定化されてきて言いたいことも 言えない的な状態になっている人にこそ使ってもらいたいですね。

[清] 面白いですね。もう1個あるんですけが、「傾聴されたい人が偏る問題」が生じてる気がするんです。ずっと話している人もいればそうでない人もいるというか。

[高] それは難しい問題ですね。そもそも傾聴するのが好きな人もいますしそうでない人もいます。が、話したいと思っているのに話せていない人にはこちらが関係性を変えていくことで自然と話しやすくする、ということもできると思います。いきなり喋ってくださいと言ってもテンパってしまいますしね。ただ、ずっと自分の中に黒いものをためてそれを外に出せない環境というのは不自然だと思うので、そこを変えていく必要もありますよね。闇落ちする前に吐き出させていきましょう、というか。

[清] 闇ゲージが高まっているのになにもアクションを取らない人に対してできることってどんな事があると思いますか?

[高] 難しいですね。でも、うつなどを発症したりしちゃうと治療が大変になるので、その前の闇ゲージを少しでも減らしていきたいですよね。 カウンセリングの場とかに来る人はすでに真っ黒い状態になっていて治療が大変というのがあるんですが、どうにかしてその手前でキャッチできないかなとはすごく思います。いかにその世の中に傾聴が足りてないのか、自分の気持ちに気づいてくる吐き出すこともできないかということですよね。「いつでもおかえり」はトレーニングの場としてはもう最高だなと僕は思ってるんですけど 。

カウンセラーといってもいろいろ

[清] ありがとうございます!ぜひ使って欲しいですね。次に「産業カウンセラーと普通の心理カウンセラーは根本的には同じなのですか?」という質問がありました。

[高] 簡単に説明していくとカウンセラーと名乗っている人で一番プロフェッショナルなのは「公認心理師」とか「臨床心理士」を持っている方です。どちらもけっこう難易度が高くて、例えば公認心理師は基本的に心理学を大学院までしっかり6年学んだ上でさらに国家試験を受けて合格しないとなれない、などです。その分、心理療法のような専門知識が豊富でかなり深いレベルでのカウンセリングができる、という感じです。産業カウンセラーはカウンセリングの場での傾聴など基本的な部分は同等なのですが、働く人を主な対象にしているので、人事・労務面はもちろん、キャリア相談や休職相談への対応のような実務方面も知っているという点が強みですね。

[清] ありがとうございました。「本当に相手が求めているアドバイスをするって難しいよね」という質問も届いています。

[高] 少し話がずれますが、いつアドバイスをするべきかといったら、基本的には聞かれるまでアドバイスはしないですね。もし聞かれたら「正解かはわからないけどこういうことが考えられる」と前提をつけながらあくまで一案としてお話するくらいです。人のアドバイスに従って行動した場合、その結果、例えば失敗したらその責任を相手のせいにしてしまいますが、自分で決めたことであれば仮に失敗しても自分の中で消化することが出来ると思います。その過程で探っていくしかないのかなと。

自分を客観視するコツ

[清] 他に質問が届いているんですが、いいですか?

[高] 盛況ですね!(笑)

[清] そうですね(笑)。「客観視することや話すのが苦手で、自分が何かをいう度に反省や後悔をしてしまいがちです。どうしたらいいでしょうか」という質問ですね。

[高] どういうところで反省や後悔をしちゃうんでしょうかね?

[清] それはわからないですね。でも、私の想像だと例えば自分のことをバカだと思われたりし たらどうしようみたいな。

[高] あー、なるほど。ちなみに、カウンセリングってクライアントと一緒に気持ちを紐解いていく作業でもあるんですね。だからどうしても弱いところとか恥ずかしいところをさらけ出さなきゃいけない。そこから慣れていくみたいなことはあるかもしれませんね。だからこそカウンセラーに相談してほしいという気持ちはあります。

[清] 第三者からの視点が必要なんですね。

[高] 心理学的には「外在化」ということですけど、今起きている出来事に対して自分がどう思っているかなどを書くなりして外に出すとそれだけで客観視しやすくなります。

[清] 確かに一人でできる方法としては割といいかもしれないですね。それで、そこから高島さんに相談してちょっと傾聴をやってもらって、必要ならそこから公認心理師や臨床心理士などに認知行動療法や精神分析とかやってくれそうなところにつながるとより深く分析できるかもしれません。

[高] そうですね。カウンセリング、特に心理療法は子供の頃の経験や家族関係など、心の相当深いところまで触れることになります。辛い面もあるとは思いますが、自分自身の認識を深めていていくことで新たな自分にも気づけると思うし、結果生きやすくなっていくのかなと思いますね。気になる方はまずはライトな傾聴、カウンセリングから試してみていただければと思います。

[清] なるほどです。でも、もし、鬱とかになったらどういう時間軸で回復していけばいいんでしょうか?

[高]  鬱にも重いものから軽いものまでいろいろあるので患者さんにもよるのですが、肉体的にも心理的にも認知のゆがみを治すという意味でもかなり長い時間がかかってしまうことが多いですね…。

[清] どうしても生まれつき認知の能力とかで生きにくい人もいますよね。それで生活が苦しくなる人とかもいます。そういう人は支援も受けにくいしどうしたらいいんでしょうね?

[高] 支援者が関わる人全員をなんとかしてあげられるわけではないのですが、みんな目の前の人にやるだけのことはやりたいと感じている人も多いはずです。ですので、まずは信頼できる方や機関に相談するところから始めるのがいいと思います。うまく回復できたら、その後は悩みの乗り越え方みたいなのを習得していくと良いのかなと。

[清] はい、そんなそんなところで今日はこのくらいでしょうか。

最後にお知らせ

[高] あとは宣伝させていただくと、この「こころのえいよう講座」は傾聴及び受容の基本的なスキルを無料で学べるので、ぜひ受けていただければと思います!

[清] ありがとうございます!それと、今の気持ちを書いて確かめることができるアプリ「いつでもおかえり」も是非ご活用ください。本日はありがとうございました!

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