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私のコンプレックス~声~
飲み物はすぐに飲み干しちゃうタイプ。事務局スタッフのつばきです。最近生きづら研究室がご無沙汰だったので、せっかくならと思い立ち、私のコンプレックスを暴露する文を作ってみることにしました。
皆さん、自分の声は好きですか?録音した自分の声を聞いてみて、「うわっ、自分の声ってこんな感じなのかよキモッ」という経験をしたことがある方もいるでしょうし、好きだという人は逆に少数派なのかなとも思います。
話は変わりますが、私つばきはスタッフ随一の「カラオケの鬼」です。幼少期からピアノ教室に通っていたものの練習が嫌いで、歌のコンクールばかりに出場していました。
コロナが流行る前はライブに出演したり、バイト先のクリスマス会でアヴェ・マリアを歌ったりなど、好き勝手に活動させていただいていました。そのくらい、私にとって歌うことは武器であり、生きがいでもあります。
そんな私にも、自分の声をコンプレックスに感じることがありました。私は変声期を終えても声が高く、口調もフェミニンであるため、思春期には「オネエ」「オカマ」と揶揄われることが多々ありました。廊下を歩いているだけで、毎日それを言われることの繰り返しです。ただでさえ周りの人と人間関係が上手くいっていなかったので、人前で歌うことがあっても鼻で笑われる始末です。
けれども、合唱コンクールの練習の時は、「つばきが歌うから俺たち歌わねえ~」と言われ、パートリーダーの私の言うことをちっとも聞いてくれません。音楽の授業で歌のテストがある時は、「一緒に組もうよ」と大して仲良くもない人に誘われたりしました。
「頑張って歌っても、どうせ馬鹿にされる。都合の良いように使われる」
他に目立った特技のない私は、どんどん卑屈になり、ますます自分の声が嫌いになりました。
そんな私に転機が訪れたのは、高校3年生の時でした。2年の時に不登校を経験し、人生のどん底から少し這い上がったばかりでしたが、少しずつ自分の生きづらポイントを自覚し、新しいクラスメイト達と楽しく生活できるようになっていた時です。高校の文化祭で有志バンドという催し物があると思うのですが、最後の思い出作りに、一人で出場することに決めました。
他の出場者たちにも「え?」という顔をされていました。有志バンドなのに、ipodの音源で一人だけで歌う。なんとも滑稽だったでしょう。
「笑われても良い。自分ができることを精一杯やろう。」
そう覚悟を決めていました。
当日、私はストライプシャツに崩したネクタイ、グレーのスラックスに学校指定のスリッパ、坊主に近い短髪という見事なクソダサファッションで有志バンドに出場しました。選曲は初代ボカロとアニソン。思い出すだけで本当に恥ずかしくなるような姿でした。
けれど、パフォーマンスが終わった後、「涙が出るくらい良かった!」「つばき君いい声してるんだね!」と、同級生や部活の仲間たちが駆け寄ってきてくれた光景を今でもよく覚えています。
ずっと自分の声が嫌いでした。歌っても馬鹿にされるから、と自信を持てない自分がいました。けれども、有志バンドが終わった瞬間、「私の声って意外と悪くないのかな」と、肩にのしかかっていた重荷がすっと降りたような感覚がしました。
今でも、自分の声を好きだとは思いません。けれども、誇りに思っています。それは、自分の声を使って、人を喜ばせることを経験できたからなのだと思います。
コンプレックスは誰にでもあります。けれど、自分の欠点だと思っていたことが、ちょっとしたきっかけや環境の変化で、長所になることもあるのです。あなたがコンプレックスだと思っていることも、実はとても素敵な「オリジナリティ」なのかもしれません。
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