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愛を受け取る

先日、夫が言った。

「舞さんが快適だと、おれも快適なんだよ。不思議なんだけどさ」

彼は私が快適に過ごしていると、おなじように快適になるらしい。だからもっと安心して身を委ねてほしい、と思っているそうだ。

正直驚いた。なんでこの人はこんなに掛け値なしに私のことを愛してくれるんだろう、と。

出会ってから11年、彼は本当に愛をたくさん注いでくれて、私は多分人生で初めて無条件に愛されるということを感じていた。

でも、ここ数年は夫の仕事が忙しくて、私も慣れない育児に奮闘したり、仕事との両立に悩んだりと余裕がなく、彼に対して「何もできていない」という引け目があった。

そもそも私は、あまり人に尽くすのが得意ではないらしい。

よく”推し活”を楽しんでいる人がいるけど、その感覚もいまいちよくわからなくて。
だからきっと誰かに時間を割いたり、誰かのために何かをしてあげるということがすごく苦手なんだと思う(そんな私が子供を育てているのは、なんだか面白い話)。

だから、夫のことは死ぬほど愛してるけど、彼が私にしてくれるようには尽くせていないんじゃないか……と悩んでいた。夫にとって、私は役に立つ存在なのだろうか?と。

「私ってあなたと違って、尽くすのが下手だよね」というと、夫は「そんなこと考えなくていいんだよ」という。

本当にそれでいいのかな。今もちょっとだけ不安はある。でも、冒頭の「私が快適だと夫も快適」という言葉を聞いて、私はもっと手放しで愛を受け取ってもいいのかな、と思えるようになった。

そういえば、夫の腕の中で、自分が光り輝いてるような感覚を抱くことがあった。夫が私のことを大事にしてくれるから、心が大きく花開くような感覚もあった。 

嵐の中の難破船のような気持ちも、世界一安全なゆりかごのような気持ちも、両方味わってきた。

愛を受け取るのは難しい。
でも、これからも諸手を挙げて、夫からの愛を受け取りたい。そう声に出してみると、ちょっとだけ涙が出そうになるよ。

今日で結婚して6年。今でも夫は私にいろいろなことを教えてくれる。私は昨日、バラの花を6本買って玄関に生けた。




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糸崎 舞|カルチャーライター
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