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早起きは三文の徳、どころじゃなかった

あいかわらず、息子の寝かしつけに悩む日々が続いていた。

それに加え、Xでは「長時間保育の子はかわいそう」というpostが話題になっていて、どこか釈然としない罪悪感を抱いていたのだった(ウチは長時間保育ではないが、それでも日中はずっと預かってもらってるので)。

そこで、思いついたのだ。

「夜眠れないなら、朝早く起きてみよう」。

数日前から、息子をいつもより1時間早く起こし、朝の準備が済んだら、登園前に近所を一緒に散歩することにした。

たった15分から20分のことなのに、これが驚くほど良い効果をもたらしてくれたのだ!

普段は時間に追われがちで、つい息子を急かしてしまう私。

でも、この朝の散歩で「あ、この花きれいだね」「風が気持ちいいね」なんて、ゆっくりおしゃべりしながら歩ける貴重な時間が生まれた。


すると不思議なことに、息子の様子が変わってきた。

いつも以上に機嫌よく保育園に向かうようになり、連絡帳を見ると、昼寝の質まで良くなっていることがわかる。

私自身、ずっと朝のウォーキングをしたかったのになかなか実現できないでいたのが、息子と歩くようになってから、心身ともに調子がいい。

何より、息子としっかり向き合える時間ができて嬉しいのだ。

肝心の夜の寝かしつけも、少しずつ良くなってきた。以前はベッドに入ってから寝付くまで2、3時間かかっていたのが、2、30分程度で寝てくれるようになったのだ。

限られた時間の中でも、こうして質の高い親子の時間を作り出せるという成功体験が、謎の罪悪感も和らげてくれている気がする。

朝、まだ柔らかな光のなかで、息子と手を繋いだり、時には競走したりする時間は、最高の1日を作り出してくれているな、なんて思う。


「早起きは三文の徳」という言葉があるが、私たち親子にとっては、それ以上の価値となった。




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糸崎 舞|カルチャーライター
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