クーーーラーーー
82歳になった義理ハハ。隣に住んでいるのでちょいちょい雑用で電話をよこす。
「テレビがつかなくなった」・・・リモコンの電池がきれていたり、コンセントがぬけていたり、なにもなくてただただ見に行くとついたり。ごくごくたまに不具合もあったけど。
「文字を読んで欲しい」・・・文字を読むのも書くのも好きじゃない義理ハハ。まわってきた趣味サークルの文書を音読するために人を呼んだ。これは1度だけやって、次からは頼まれてもやりませんと断った。
「文字を書いて欲しい」・・・書くのは字が汚いからいやだといい、清書を何度かしてあげた。しかし、そのもとの文章がぐちゃぐちゃでわからなかったり(確かに字は汚い!)、じゃあ口頭で言うのを書いてと言われて書くも、長くて入り切らないとか、支離滅裂とか。これも、次からは頼まれてもやりませんと断った。ボケ防止にも自分で書いたり読んだりをしなくてはダメとして。
この他にも「植物の元気がない」と呼びつけては枯れた植物を捨てさせるとか、「あわせたい人がいる」は、」義理ハハの友人がきていて紹介。しかし、私には何も関係もない方でそのご友人も嫁が急にきて会話に困ったりした。義理ハハの「とにかく来て」はそうそう大した用事ではない。大した用事だったことがない。他の嫁は「自分でやれ!彼女をそんなことで呼びつけるな!」と私の代わりに義理ハハに怒ってくれている。
私は忙しい時にどうでもいい用事で呼ばれるとさすがにイラっとはするのだけど、「できません」「できてもやりません」「今はいけません」としっかり断ってもいるので、ほいほい行くときは、まぁ大した用事じゃないだろうけど行ってやるか的な心境でお邪魔している。
その義理ハハが最近言ってきたのが「クーラーをつけて」だった。つけかたがわからないのだという。ここ数年の猛暑で3年前にクーラーは掃除をして、使い方も伝授した。と、いうか、あまり複雑な設定のないクーラーで、リモコンで電源入れればあとは勝手に温度調整をしてくれるのだ。
リモコンがどこにあるのかわからないのかなと思っていたら、部屋に行くといそいそとリモコンを出してきた。どう見ても大きく電源ボタンがある。
「これを押すとね」スイッチON。
「あらーついたー。それでそれで?」
「これだけです。切るときもここを押す」スイッチOFF。
「わかった。ありがとう」
「寒かったら、暑かったら、の温度調整は教える?」
「ううん、またその時は呼ぶからいい」
・・・・こらこら。
クーラーを3年前に動かし始めて以来(それまでは頑なにクーラーを嫌っていた義理ハハ)、実は毎年、このくだりがある。ある年は2〜3回あった。
高齢者は新しい記憶は定着しにくいというから、忘れちゃうのかもしれないし、
それとも呼んだらほいほい来る嫁で、ちょっとした暇つぶしでもしているのかもしれない。
暑さに対して高齢者は感覚がにぶいらしい。クーラーも電気代もかかるし寒いからと敬遠する。そんなで熱中症になるらしく、気をつけて欲しいーーーーっ。暇つぶしでもいいから、呼んでくれい。
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