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大好きな紅芋、むらさき芋が。

皮下出血の色調は、受傷直後は紫赤色や紫青色を呈しているが、2〜3日後には青色調、1週間前後には緑青色、2週間前後には淡黄色に変化して、一般的には2〜5週間程度で治癒することが知られている。

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そう。殴られた後の手足にはアザが残った。いくつも。


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それは紫がかった赤色から、濃い紫になり暗紅色へと大好きな紅芋の色になった。外側が濃くて内側へグラデーションを見せる。まるでふかし芋を割ってみる断面のようだった。そして緑青、淡黄色と痛みとともに変化してくる。時に、あれ、私って紫斑症?って思うほど身体のあちこちに点在した。


元配偶者は激昂して、いきなり暴力を振るうのだが、さすが医者。顔や目立つような部位ではなく袖で隠れる二の腕や足を殴りまくっていた。傷跡が見つからないように。

とは言っても、階下の大家さんは目ざとく見つけてくれて、お茶に誘ってくれたり、それとなく話を振って話を聞こうとしてくれた。二世帯住宅用に建てられた住まいを借りていたので、階下に夫婦だけで静かに暮らす大家さん(当時40代後半?)には家庭内暴力の顛末は筒抜けだったみたい。



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平手ではなく固く握りしめた拳で殴られるので丸いアザが日々経過と共に色を変化させていく。もちろん、殴打は1度では収まらない。

本人が暴力を悪いとも思っていないし誰も制止しないからか、気が済むまで殴打が続くうえ、私が反撃どころか逃げもせず固まっているので、紫色のアザは無論1個や2個では収まらない。強打の加減かアザの色合いはさまざまで紫色の濃淡が身体に広がった。

何回も手酷い暴力を受けても隣室に眠る息子には見せたくないと言う思いだけが湧きあがる。彼の心と世界を守らなくては。息子の世界は揺るぎない愛と笑いと暖かさに満ちたものにしなければ。幼い心に暴力や憎しみや恐怖の傷痕を1ミリたりとも与えたくない。長じて、どんな試練に遭ったとしても、幼い頃の愛情に満ちた記憶が彼を支え力づけてくれると信じていた。



動かないのは諦めか絶望か。逃げもせず叫びもせずフリーズして殴られるがままに時間が過ぎるのを待つ。

のちに、お前が泣かないから止まらないと言われたことに驚愕した。

別の日に殴られて(多分宮古島赴任の時かな)それは八つ当たりでしょう?私のせいではない!と言えた時に返ってきた言葉が忘れられない。

「じゃあ、俺は、どうすればいいんだ!この気持ちをどうしたら収められるのか?』と拳を握りしめてぶるぶると身ぶるいをしていた。

は?自分の気持ちを他人に宥(なだ)めてもらおうと?恥ずかしげもなく言い放ったので本気だ!そして狂気でしかない。と今までのDVの理由を悟った(だから暴力がふるえるんだ)。

そういえば、離婚前日、味噌汁の具ごとき、ほんの呟き一つで、顔面強打された理由を尋ねた。それも息子の面前でのDV 。心のどこかで謝罪があるだろうと思っていたのかもしれない。

でも、とことんサイコパスだった。

「俺の気持ちをわからないからだ」。と悪びれもせず言い放った。息子の気持ちも私の気持ちもお構い無し。通りで。


怒らせるお前が悪い。

お前が泣かないから(暴力が)止まらない。

DV加害者の論理は共通していてステレオタイプだ。

自分が正しい相手が悪い。

恐ろしいほどの自己肯定性、自己正当性の高さはDV加害者特有のものだ(いつか参考文献添付します)。


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当時、虐待にあっている恐れのある患者に関して、医師が直接警察に連絡する事が守秘義務違反ではないと、DVについての啓蒙もされていた頃だった。このポスターも白衣のナースだよね。社会生活や結婚生活、もしかしたら職業生活も破壊してしまう暴力への警告。



記憶から消したい事実だったせいか、殆ど意識に上がらなかった記憶の一つ一つ。こうして言語化するときに思い出すディテール。苦しかったあの時の気持ちが込み上げる。

いたわり合い助け合い励まし合う(と思っていた)家族から受ける止まらない暴力と支配の恐怖。絶望感と空虚な気持ち、恥と屈辱、幼児をかかえ帰る実家もない無力感と心細さ。見たくもない現実、いつかは人格が成熟し子への愛情も育つだろうと期待したかったのは私。だって、医者だもん。

単なる衝動性や短気だと思っていた。自分の気持ちを表現したり言語化できない未熟さの故の暴力なら人格が成熟、成長していけば、きっと変わるはず!と。

想像もつかなかった。サイコパスの良心のなさやDV加害者の特徴の知識があれば、、、、、(逃げていたのに周りに助けを求めていたのに、、)と人生のほとんどをロスした気持ちで居た堪れなくなる。

振り返り思い出す作業は辛く苦しいけれど、これ以上苦しむことがないように今を乗り越えようと思う。30年近い結婚生活を強制終了して2年が経った。これ以上時間も心も無駄遣いできない。



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