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📚寓話📚

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人は生きるために、食べ物よりも物語を必要とすることがある。 − バリー・H・ロペス
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#未来

老僧の接ぎ木 | 未来を育む

老僧の接ぎ木 | 未来を育む

谷中の里に古びた寺があった。

寛永(1624年〜1644年)の頃、将軍とお供の者が鷹狩の帰りにこの寺に立ち寄られた。

ちょうどその時、80歳になろうかという老僧が庭で接ぎ木をしていた。

将軍が「何をしているのか?」と聞いた。

老僧は「接ぎ木をしています」と答えた。

すると将軍は笑って言った。

「あなたは年老いているので、今、接ぎ木をしても、この木が大きくなるまで、命が続いているかどうか

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馬が空を飛ぶかもしれない未来

馬が空を飛ぶかもしれない未来

昔、ある男が王の怒りを買って死刑を宣告された。

男は王に命乞いをした。

「王様、私に王様の馬をお預けください。1年の猶予をいただければ、馬に空を飛ぶことを教えましょう。1年経ってできなかったら私を死刑にしてください。」

王様はこの命乞いを受け入れた。

ただし、「1年経って私の馬が空を飛ばなかったら、お前を殺すからな」と付け加えた。

この話を聞いた囚人の仲間は「馬が空を飛ぶはずがないだろ!

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