The Lost King~失われし王ルイ=シャルル第一部(3)市民ジョゼフ・フーシェ
Ⅲ. 市民ジョゼフ・フーシェ
ド・バッツとラサールの共謀の結果として、革命暦第Ⅱ年雪月初旬――キリスト紀元でいえば、1793年12月の終わり近く――のある日、この美術学生は、サントノーレ通りの薄汚い建物の四階まで階段を登る事となった。愛想は良いがやつれた面持ちの若い女性がノックに応えてドアを開けると、彼は市民議員ジョゼフ・フーシェ【註1】は御在宅でしょうかと尋ねた。
予定された作戦の足がかりとなる人物として、ド・バッツはショーメットに狙いを定める事に決めたのだが、丁度、それと時を同じくして、ジョゼフ・フーシェが突然、派遣議員として共和制徹底の任務に従事していたニヴェルネー州から帰還した。フーシェは、ロベスピエール【註2】によって矛先を向けられた、彼の節度に関する嫌疑から己を守る為にパリに戻ってきたのである。
この予想外の帰還とその状況から、ド・バッツは自分たちの目的にとってはフーシェの方がより有益であろうと判断するに至った。彼は既に、この男の経歴を観察し、その背景を調べ上げていた。
教職の為にオラトリオ会【註3】で学んだフーシェは、七年の間、オラトリオ会所属の学校で教鞭を執っていた。ニオールで数学、ヴァンドームでは論理学を教え、1783年にアラスで物理学講師を任されて以降は勤勉に奉職を続けていた。気体静力学の研究には熱心で、1791年にはナントで気球の上昇実験を行って、周辺住民を驚きと恐怖で震え上がらせた事もあった。92年に結婚したが、これを期に教会関連の全ての職を断念し、既に拝命していた赴任先を辞退する事となった。政治の為に教職に見切りをつけると同時に、彼はロワール地区代表として議員選挙に立候補し、当選した。つまりこの男は、とド・バッツはラサールに解説した。まさに日和見主義者中の日和見主義者、信念なき男、常に状況の使用人、そして常に勝利の側にいる可能性が高い人物でもある。何故ならば、その卓越した知性と狡猾さによって、彼は常に勝者を予測する事が可能であるからだ。状況が故王に対して寛大な方向に傾いていた時、フーシェは国王助命の論拠を反論し難いものとして受け入れていた。議論の大勢が逆方向に大きく傾いた時、フーシェは国王死刑に票を投じる以外に選択の余地なしと判断した。西国における彼の任務【註4】は比類ない無慈悲をもって始められたが、その方針は己の栄達には無慈悲が必須であると彼が判断していた期間、継続された。革命思想を持つ者たちの多くを混乱せしめた狂信、野蛮、臆病とは無縁な明晰な頭脳が世論は虐殺に吐き気を催し始めているという兆候を察知すると、フーシェは節度ある方針に転換した。そして彼は更なる炎と流血を抑制する一方で、依然として無慈悲な方針を要求してくる――世論の変化を認知するに敏ではない――政府に対しては、炎と流血に満ちた報告書を送り続けたのである。
だがロベスピエールは容易に騙されたりはせず、覇権を掌握する兆候を見せた全ての人間に対して目を光らせるのと同じく、綿密に、油断なく、フーシェを監視していた。何故ならば、フーシェは既に、その活動によって声望を得ていたからである。彼の知的能力は信頼を獲得し、その後追いをする派閥は人数を増し続けており、アナクサゴラス・ショーメット――この男自身が大衆の偶像である――がその筆頭となっていた。
ロベスピエールは、フーシェの中に自分を追い落とし得るライバルの可能性を認知したのみならず、私怨に類する動機というのも別に持っていた。革命以前、アラスにおける教職時代に、このオラトリオ会士とかの弁護士との間には交友関係が結ばれていた。フーシェは彼に金を貸した事もあった。だが、それによって、フーシェが自分の妹と結婚する約束を反故にしてアラスを去ったという事実を水に流すのは、ロベスピエールにとっては難しい事だった。フーシェは既に彼女を誘惑していたのではないかと疑われていた。しかしながら、恐らくそれは邪推であろう。何故ならば、フーシェが道徳観念や他の諸々に左右される事なく知的判断を優先するのは、その並外れて禁欲的な性質が付随する冷徹な精神によるものであったからだ。
それらに加えて、かつてのオラトリオ会士、今や名うての無神論者である彼が、派遣議員としての自分の任務は担当地域の脱キリスト教化であると認識していた点も問題であった。彼はショーメットと共に理性の女神【註5】をでっち上げ、祭儀を敢行していたのだが、それは理神論者の【註6】ロベスピエールにとっては不快極まりないものだったのだ。
ショーメットから、君の頭上にいきなり雷が落ちるかもしれないぞという警告を受け取ったフーシェは、自分の足をすくおうと画策する連中と対決する為に、すぐさまパリに向かった。
フーシェは単に彼らの質問に答えたのみならず、大仰な巧言を用いた尤もらしい弁論によって彼らを納得させ、少なくとも一時的には圧倒した。そしてまた、彼は議論よりも雄弁なものを持参していた。彼は議会の床上に、夥しい量の金銀を山と積み上げたのである。十字架、聖杯、聖パン皿、聖体容器、燭台等々、西国の教会から没収した品々と、マザラン公爵家の冠【註7】のような飾りもの。そして彼は表明した。この品々は全て、共和国の為に戦った人々がブーツとパンを買えるように、熔解して現金に変える為に集められたのだと。
「我々にとって、うってつけの人材だ」ド・バッツは、そうラサールに語った。「当人も自覚しているように、彼は危険と困難の状況にある。彼は来たるべき変化を察知し、明確な意思表示を先延ばしにし過ぎる危険性も理解しているが、それでも時期尚早な行動は危険であるとも考えている。現状において、あの男にできるのは、事態を見極め、武装して待つ事だ。彼は提供される武器を拒まないだろう。そして彼の知性は、我々の申し出る武器の力を高く評価するはずだ」
そのような訳で、ラサールはサントノーレ通りにある建物の階段を登り、件の派遣議員が居住する粗末な一人部屋に入る事となった。ベッドが押し込まれたアルコーヴは、一室と数えるには無理があった。にもかかわらず、フーシェの妻は其処を別室として扱い、その中に引っこむと境目にぼろぼろの仕切りを置いた。
これでラサールはフーシェと二人きりになったと見なすべきなのかもしれないが、しかしむずかって泣き、咳き込んで息を切らす病んだ子供をなだめている女市民の様子は、嫌でも伝わってきた。
派遣議員は既に、通りを見下ろす二つの汚い窓のうち、片方の傍らに立っていた。それまで書きものをしていたノートは閉じられていた。立ち上がって待つ彼は、長身で痩せぎすの神経質そうな人物であり、赤味がかった髪をしていた。髭のない面長の顔は、これほどやつれて蒼ざめていなければ、個性的な魅力のある容貌と言えたかも知れない。それは元教師の実年齢である三十三歳よりも、ずっと年がいった男の顔だった。目蓋の垂れた、眠たげな色素の薄い目には、何処か不吉でひやりとさせるものがあり、薄い一文字の口からは、感傷に流される事のない知的な人物であるのがうかがえた。
「私に御用だそうですね、市民?」彼の態度は冷ややかで礼儀正しく、声は細かった。雄弁の才を要求される政治家でありながら、彼には元々、弱い喉という不利があり、更に昨日の議会では大いに喉を酷使させられて、未だ充分に回復していなかった。
この重要人物を尋ねて辿り着いた先が予想外にむさ苦しい環境だった事に動揺していたラサールは、我に返ると帽子を脱いで一礼し、あらかじめ良く考えていた自己紹介をした。
「幸いにも、昨日の議会での貴方について耳にしまして、生粋の共和主義精神に対する敬意と、心ある市民が皆、どのように感じているかを――自由の破壊者と戦う我々が、貴方のような断固たる闘士を擁している事を非常に心強く思っているとお伝えしたく、駆けつけました」
フーシェは一瞬の間、謹厳に彼を見つめた。それから「それを、どうしても伝えたかったという訳ですか、市民」と言い、更に「その為に、わざわざ四階まで階段を登ってきたと」と続けた声音には、疑念が含まれていた。
ラサールの微笑はすまなそうなものになった。「もうひとつ用件がありまして」
「でしょうね」
「俺は画家なんです、市民議員。まだ学生の身ですが、今年の官展【註8】に展示されたいと願っています。それで、画題自体が重要なものなら、その願いが実現する可能性が高まるのでは、と思いまして。この偶然の巡り合わせを自分の有利にしようとする試みが、貴方にとって無駄になったりはしないと約束します」
如何なる野心を叶えるに際しても、偶然の巡り合わせを自分の利にする機会を決して見逃さぬ事で知られた男の青白い顔には、氷の張った水面に射す冬陽の如き微笑が浮かんだ。「それはそれは。しかし何故、私の処に来たのです?恥ずかしながら、芸術とは縁がなくて。余暇は仕事と同じく、全て科学に費やしてきたものですから」
「俺が描きたいのは、貴方の肖像画なんです、市民議員」彼は片方のポケットから画帳を、もう片方から鉛筆を取り出した。「下準備の素描を、お許しいただけないでしょうか……。俺は敬愛する貴方の理想主義から霊感を受けて……」
「なるほど。良くわかりました。私は市民からの要請を無下に断る事はめったにないのですよ、事情が許される限りはね。しかし、これは時間がかかるでしょうし、私はすぐにパリを発たなければなりません。西国での任務がありますので」彼は懐から取り出した時計を見た。「残念ですが、君の用件は、またの機会にしてもらわねば」
ラサールの顔には内心の狼狽が表れた。「それほどお時間はいただきません。筆は早い方なので。下準備の素描と若干の覚書だけです、次にまた貴方がパリにいらした時に、カンバスにとりかかれるように」
生気のない、冷やかな目が彼を見つめていた。「そんな手際の良さを、何処で身に着けたんだね?」そして彼は、更に踏み込んできた。「君は学生だと言ったね。誰の門下で学んでいるのかな?」
「ルイ・ダヴィッドに師事しています」
「ああ!偉大な画家だ。古典的な伝統を我々に伝えてくれている」彼の態度は和らいだ。血管が透けて見える骨ばった手の鷲の鉤爪を思わせる長い指が、この部屋には二つしかない椅子の片方を若者に示した。「座りたまえ。半時間程度でも君の役に立つのなら、付き合いましょう」
「ああ、有難うございます、助かります!では、すみませんが、そちらに座ってください、市民、横顔を光の方へ。そうです。ああ、もう少し窓の方を。少しだけで結構です。それでいい」
彼の鉛筆はきびきびと動き、しばしの間、ラサールはスケッチに没頭した。しかし主線を描き終えた時、これで見せ掛けは充分と判断した彼は、描く手を止めずに話を始めた。
「本当に残念ですね、市民。貴方がパリから離れるなんて、残念でなりませんよ。ここには貴方が必要なんです。はびこる腐敗と戦う為に」
フーシェは答えなかった。考え込んでいるかのように、彼は座っていた。しばしスケッチに集中した後、再びラサールは口を開いた。
「妙な噂があるんです。アトリエやカフェで耳にしたのですが。根も葉もない話かもしれませんが、でも、聞いた者は不安になってしまいますよね」
「どんな種類のものだね?」乾いた細い声が尋ねた。
「ただ聞いた話を繰り返すだけでも、我が身を危うくするようなのもあって。そう……例えば、最近耳にした噂は、小カペーの誘拐に関する陰謀です」
彼は、自分の希望する方向に話を転がせるような応答を期待した。しかしフーシェは、そのようなきっかけを与えてはくれなかった。「失敗は避けられないだろうね」と彼は言った。「既に試みた者もいるが。ショーメットがタンプル塔の管理をしている限り、そのような心配は杞憂というものだろう」
「それならいいんですが。本当に、そんな心配が必要ないならいいんですが。貴方がそうおっしゃるのなら、安心ですね」ラサールはスケッチを続けながらも、頭では別方向から攻撃する道を懸命に探っていた。「それでも誘惑を考えると、人心は不安になるものです」
「具体的には、どんな誘惑だね?」
今度は良い反応だった。本題に入るきっかけにできる。「フランスの敵が、いわゆるルイ十七世の身柄に対して支払うであろう金額です」
「それは愛国者を誘惑する事はできまいよ。愛国者は金に貪欲ではない。愛国者が求めるのは、ささやかなものだ。武器とパン、そして40クラウン【註9】の収入だ」
ラサールは溜息を吐いた。彼は質素な部屋に、ちらりと視線を走らせた。
「市民、全ての愛国者が貴方のようだったら、何の心配もないでしょうが」
「私のようではない愛国者は、愛国者とは呼べまい」フーシェは言った。「だが、それほど心配ならば、市民ショーメットに会うといい。彼はタンプル塔と、その囚人に対して責任がある」彼は再び時計を取り出して見た。「スケッチはできたかね。私は時間に追われていてね」
自分の意図が怪しまれたのを、ラサールは理解した。そして、その性質を確認する手間すらかけずに、フーシェはラサールの意図をくじいたのであった。これ以上は食い下がっても無駄と認めざるを得なかった。謝辞と共に、彼はほんのしばし、静かに作業を続けた。
描き終えた時、フーシェは彼と共に立ち上がった。「君の絵を見せてもらえるかな?」
ラサールは画帳を差し出した。生気のない目は、そのページを見つめた。
「なるほど」それは奇妙な評だった。「君はアーティスト【註10】だ」彼は脇を向いて呼びかけた。「ボンヌ!おいで、この絵を見てごらん」
呼ばれてやってきた大人しく優しげな女性は、そのスケッチを見ると暗く疲れた目を好奇心で煌めかせた。その肖像は実物より美化されたものだった。何故ならば、ラサールはモデルの容貌を忠実に描き写してはいたが、しかし――ダヴィッドが彼の将来の為に冷笑的に指摘するように――其処に内包された、曰く言い難い他者を撥ねつけるような力を捉える事には失敗していたからである。
「素敵ね」彼女は叫んだ。「そっくりだわ、ジョゼフ、今にも話しだしそう」
「もしそれが話しだしたら、私とは似ても似つかない事を言うだろうね」
「冗談よ、市民。夫はこういう人なの」彼女は深刻そうに耳をそばだてているラサールを見て、優しく声をかけた。
「できれば、すぐにでも絵の具で描きたかったのですが、女市民。またお会いする日まで待たなければなりませんね」
そのように装ったまま、そして儀礼的な賛辞を何度も述べてから、彼は去って行った。
「魅力的な若者ね」ボンヌ=ジャンヌは言った。
「ああ、魅力的だ」彼女の夫は同意した。「魅力は密偵にとって、最良の商売道具だからね」
「密偵?」彼女の目には偽りない恐怖があった。「あの人は、密偵なの?」
「少なくとも、その可能性はある。ルイ・ダヴィッド、ロベスピエールに心酔している崇拝者。ロベスピエール、彼は私を捕らえるべく罠を広げている。彼らが結託していても不思議はない。そして彼は、ここに留まるのを許すと予想通り陰謀について話した。荷造りをした方が良いね、そして西国に戻ろう」
簡易ベッドの中にいる子供はむずかっていた。ボンヌ=ジャンヌの顔に不安の色が濃くなった。「二日か三日、遅らせる事はできないの?ニエーヴル【註11】の具合がとても悪いのよ」
心痛で彼の目は細くなった。彼は妻の肩に愛情を込めて片手をまわした。「ニエーヴルの為には、我々が血に酔った連中から逃げる方が大事なんだよ。野の獣が残酷なのは、知能が低くて恐怖心に駆られているせいだ。人間もそれと変わらない。ただ愚か者と臆病者だけが残酷になる」
にもかかわらず、リヨンにおいてフーシェは炎と血を用いて己の名を刻み、それによって彼は永遠の悪名を得た。そして彼は、その全てを自覚的に行ったのである。彼が残酷に行動したのは愚かさ故でも臆病故でもなく、勝利への階梯を築くまでの間、己の地盤を維持する為であり、現政権における支配的な空気を大きく逸脱してはならぬが故であった。
訳註
【註1】:ジョゼフ・フーシェ(1759年5月21日 - 1820年12月25日)
恐怖政治期から総裁政府、執政政府、第一帝政、復古王政期までの激動の時代を生き抜き、変節を繰り返しながら権力中枢で辣腕を振るい続けた政治家にして、近代的な国家警察の祖。この物語のもう一人の主人公である。詳しくは下巻の巻末解説を参照。
【註2】:マクシミリアン・ロベスピエール(1758年5月6日 - 1794年7月28日)
ジャコバン派内モンターニュ派。地方の弁護士から第三身分議員に転進、ジャコバン派内のセクト争いに勝ち残り、1793年7月に公安委員会入りしてからは事実上の革命政府首班として強権を振るい、他派や反革命派の粛清を断行した。
【註3】:16世紀にイタリアから始まった、宗教教育を目的とした在俗聖職者の会。教会音楽発展にも大きく寄与している。
【註4】:パリに次ぐ大都市リヨンにおける反革命派の叛乱鎮圧後、国民公会は「リヨンの完全破壊」を決定し1793年11月にジャン=マリー・コロー・デルボワとジョゼフ・フーシェを派遣、二千人近い市民が粛清された。尚、史実においては、同年12月にパリの公会及びジャコバン・クラブで釈明を行なったのはコロー・デルボワである。
【註5】:エベール、モモロら無神論者たちは理性崇拝を提唱し、既存の教会にミサを禁じた上で理性崇拝寺院への転向を強制、「理性の祭典」と称する祭儀を行った。同様のキリスト教廃絶運動は地方に波及し、フーシェも1793年の秋に担当地域であるニエーヴルにおいて、ショーメットと共に教会からの貴重品没収と理性崇拝カルト普及を行っている。
【註6】:啓蒙時代のヨーロッパに栄えた宗教思想。世界の創造者としての神は認めるが、その後の宇宙は自律的に駆動し発展しているとする。無神論とは一線を画す。
【註7】:フーシェの派遣先ニエーヴル県にはマザラン宰相の甥の一族であるマンチーニ公爵の居城があった。
【註8】:1725年に始まったパリの芸術アカデミーの公式展覧会。サロン・ド・パリ。
【註9】:原文 forty crowns 英国通貨に合わせた表記と思われる。
【註10】:原文 an artist 恐らく「芸術家」と「術策を弄する狡猾な人」のダブルミーニング(本章のフーシェはダヴィッドを指してはpainterと言っている)。
【註11】:ニエーヴル・フーシェ(1793年 - 1794年)
ジョゼフ・フーシェの長女。フーシェが議員として派遣されたニエーヴル県で誕生し、現地の大聖堂で「市民洗礼」を受けている(これはフランスにおいて現代まで続いている非宗教の後見人指名制度である市民洗礼の最初の例と言われている)。