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短歌人 月例作品 2023年5月号

労働者の燃料として消費され缶コーヒーの残骸たまる

ヒヤシンスあたまばかりがおもたくて春の祝日どうしてねむい

みっちりと花芽を見せる球根に会陰切開の痛みを思う

ヒヤシンス風を信じる子と書けば昭和歌謡のようにせつない

春雲を肩にまとった富士山は二メートルほど首すじ伸ばす

「短歌人」2023年5月号 月例作品 伊藤まり

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