短歌人 月例作品 2024年4月号
もう膝におさまりきらない五歳児は大型犬のように甘える
国籍で差別するのはあれだけどブラジル産の鶏が苦手だ
かっちりと縦列駐車が決まるときここまで走った十年思う
ひんやりと眠るハンドルあたためて鋭く鳴らす冬のエンジン
なごやかに楽しき法事の人去りて片づけるときに清き静寂
わたしたちスノードームのまんなかの二体の人形として寄り添う
もう膝におさまりきらない五歳児は大型犬のように甘える
国籍で差別するのはあれだけどブラジル産の鶏が苦手だ
かっちりと縦列駐車が決まるときここまで走った十年思う
ひんやりと眠るハンドルあたためて鋭く鳴らす冬のエンジン
なごやかに楽しき法事の人去りて片づけるときに清き静寂
わたしたちスノードームのまんなかの二体の人形として寄り添う