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短歌人 月例作品 2024年11月号

すこしだけ速度を落としてこだま号は南海トラフの上を撫でゆく

じんましん治療に数年かかる旨告げられ帰路の空のももいろ

くきやかに片肌脱いで稜線を富士がわたしに見せつける秋

砂糖入り紅茶を飲んで帝国の女工のように机に向かう

風呂の水なみなみあふれさせながら豪雨のときの巴川思う

ほんもののアベベの走りを見たことをオリンピックのたびに言う母

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