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短歌人 月例作品 2023年12月号

金色の稲の穂と穂が触れあってさわさわさわと秋が聴こえる

勲章の内示を受けて胸中に光らせたまま父は逝きたり

秋空にチョークで描いたリュウグウノツカイみたいに長い長い雲

いわし雲見上げるわれは水底のタカアシガニの視線を持てり

過ぎ去ってゆくものだけがうつくしい少し涼しい九月の朝に

「短歌人」2023年12月号 月例作品 伊藤まり


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