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moekita0401
短歌人月例作品 2025年2月号
遅すぎることなどなくて弟に三十九にして初の恋人
空席に詩情を乗せて走りだす子らを降ろした赤い車は
このまちに苦しむひとのいることの物証として福祉窓口
愛されるために生まれた魚だとさかなクンは言う金魚のことを
香典の袋の記名がうまくなる零細社長の妻として生きて
水平な師走の空に圧されつつ東海道を荷物は走る
遅すぎることなどなくて弟に三十九にして初の恋人
空席に詩情を乗せて走りだす子らを降ろした赤い車は
このまちに苦しむひとのいることの物証として福祉窓口
愛されるために生まれた魚だとさかなクンは言う金魚のことを
香典の袋の記名がうまくなる零細社長の妻として生きて
水平な師走の空に圧されつつ東海道を荷物は走る