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短歌人月例作品 2025年2月号

遅すぎることなどなくて弟に三十九にして初の恋人

空席に詩情を乗せて走りだす子らを降ろした赤い車は

このまちに苦しむひとのいることの物証として福祉窓口

愛されるために生まれた魚だとさかなクンは言う金魚のことを

香典の袋の記名がうまくなる零細社長の妻として生きて

水平な師走の空に圧されつつ東海道を荷物は走る

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