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青空と碧海リンドスで歴史に思いを馳せる

カリメラ(Καλημέρα)。

ギリシャ語のおはよう。この単語には「太陽」、「キラキラ輝く」って意味もあるんだって。太陽の国らしい素敵なおはようの言葉だな。

本日はロードス島東海岸に位置するリンドス村(Λίνδος)へ。

早起きをしてロードスタウンのビーチで朝日の下メディテーションをし、カフェで1杯コーヒーをいただく。そんな最高の朝活をしてから、旅を共にしているお姉さんと合流しバスでリンドス行きのバスに乗車した。

バスの車窓から

時より姿を表す美しい景観を眺めつつ、バスに揺られること2時間弱。リンドス村へ到着。バス停近くのお土産屋さんで帽子を何点か試着した後(サイズが合わず購入は断念)この村の1番の名所、リンドスのアクロポリス(Ακρόπολη της Λίνδου)へ向けて歩き始めた。さすが有名観光地。多くの観光客が同じ方向目がけて進んでいく。バス停からアクロポリスまでのルートを全然調べていなかった我々だったが、これは安心(実際Googleマップを見てもよくわからない)。ついていけば目的地に辿り着ける。便乗作戦だ。

リンドスビーチ

白い建物が並ぶ美しい石畳の小道。お土産屋さん通りになっていた。わたしが想像していたギリシャってこれだよ。という雰囲気の場所。

ちなみに、わたしたちの目的地は写真上部に見える城壁。一言。高いな。今からわたしたちはあそこまで歩いてのぼるのか。大変そうだが、登りきった先には素晴らしい景色と遺跡が待っている。それを信じ覚悟を決めた。ちなみにここは自動車通行不可なのでバスという代替手段はない(ロバタクシーなら乗車可能)。先人に与えられた現代人への試練だな。

パナギア教会(Ναός της Παναγίας)

登って登って、ついにアクロポリス到着。暑いし大変ではあったけれど、小道がどこも美しく、後半は見下ろす景色が素敵だったので楽しんで登れた。意外とあっという間だった。(後ほど調べたところ、アクロポリスの標高はわずか116メートルなのだそう。思ったよりは高くなかった。でも大変よ。)

アクロポリス入口

リンドスのアクロポリスは、紀元前9世紀にドーリア人によって砦として築かれ、その後、アテナ・リンドス神殿(Ναός της Αθηνά Λινδίας)を中心に信仰と政治の中心地として繁栄した。ヘレニズム時代には柱廊や劇場が追加され、都市国家リンドスの黄金期を支えた重要な場所となった。中世には聖ヨハネ騎士団が要塞化し、防御の拠点として再利用された。このように、現代では古代から中世の遺構が交じり合った歴史的遺産。

写真左端に見切れて少しだけ写っているのは、三段櫂船のレリーフ。紀元前180年ほど前のものらしい。これを見た時、高校の世界史の授業を思い出した。楽しい授業だったな。先生お元気かな。全体史写真を撮っていなかったのが悔やまれる。

要塞内部へ。アメイジング。古代ギリシア・ローマ史好きのわたしにとっては心躍るよ空間でしかない。世界史の聖地巡礼。復元された部分が多いとはいえ、どのように紀元前の人々はこのアクロポリスを建造したのか。ましてやこの高台。歴史的遺産を見ると毎度同じ感想になってしまうのだけど、先人に脱帽。

碧海とサン・ポール湾

碧海。吸い込まれそうな青。何時間でも見ていたい心がグッと惹かれる海の景色。

上から見ると湖みたいに見えるのはサン・ポール湾(Όρμος του Αγίου Παύλου)。

復元されたアテナ・リンドス神殿の一部。大人気撮影スポットとなっていた。

なお、この復元に関しては大きな問題が勃発していた。20世紀に行われたこの復元プロジェクト。不十分な考古学的証拠に基づき不正確な再建が行われたことや、不適切な材料(現代のコンクリートなど)が使用されたことで、一部の修復がオリジナルの構造と一致せず、遺跡の美観や歴史的価値を損ね、風化を促進する結果となった。また、正しい歴史認識を困難にしたという点でも大きく非難されている。現在は、ユネスコやギリシャ文化省の指導の下、オリジナルに忠実に戻すための再修復作業が進められている。

わたしたちが現在もなお、多くの歴史的遺産を見ることができるのは、修復作業、補強作業のおかげである。だが、この作業が技術的な側面だけでなく、歴史を正しく伝承、保存する上で大変難しいことなのだとも痛感した。

一方で、歴史のオリジナル、正解とは一体なんなのだろうか。ということも考える。これに関しては長くなるのでまた別の投稿で。

ここでは関わる全ての方にリスペクトを。

リンドスの町を見下ろす。クリーム色などではない。白。好き。

20世紀に修復されたのだろうというのがよく分かる。

城壁の石(中世)と紀元前の建造物の石を見比べては時代を感じたひと時。

わたしのお気に入りの1枚。本当にタイムスリップしたかのような。

大満喫。アクロポリスにさよならを告げ、下りながらビーチを目指した。

…。しっかり迷子に。Googleマップに助けを求めるも機能せず。迷路。でも道中素敵な街並みを楽しめたから、迷子になってよかったとしよう。

なんとか辿り着いたビーチ。名前はパラスビーチ(Παραλία Πάλλας)。お腹が空いたので、ここで昼食をいただくことに。Alex's Beach Restaurantにお邪魔した。

わたしがオーダーしたのはフラッペとトラディショナルな何か。酸味のある面白い味のペーストだった。今思えばおそらくフムスだったかな。

フラッペに関してはびっくり仰天。我々日本人が想像するフラッペというのは、細かく砕いた氷をドリンクと混ぜたものだが、こちらギリシャでは全く異なる。インスタントコーヒーにお砂糖と水を加えて泡立てたものに、水かミルクを加えたものなのだ。この時は日本のフラッペの冷たさを求めていたから少し残念ではあったけど、普通に美味しい。この後はまってギリシャ滞在中たくさん飲んだ。

リンドス村最高。エフハリスト。


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いときち
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