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<BACK NUMBER>第92回 苦手克服研究所 憲法 司法権(法律上の争訟)

みなさん、こんにちは。
 
伊藤塾講師の藤田です。
 
それでは、今週もいつも通り、一問一答をやっていきましょう。
 
今回取り扱うテーマは、
憲法の「司法権(法律上の争訟)」です。
 
 
題材としては、「平成27年度 問題6 記述ア」を扱っていきます。
 
 
まず、「平成27年度 問題6 記述ア」を以下に示します。
 
 
ア 具体的な権利義務ないしは法律関係に関する紛争であっても、信仰対象の価値または教義に関する判断が前提問題となる場合には、法令の適用による解決には適さず、裁判所の審査は及ばない。
 
 
 
……
 
 
 
いかがでしょうか?
 
 
 
結論からいうと、本問は正しいです。
 
 
以下、解説していきます。
 
 
本問は、「法律上の争訟」にあたるか否かについての知識を問う問題です。
 
 
「法律上の争訟」とは、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、②それが法律を適用することにより終局的に解決することができるものをいいます。
 
 
本問の題材となった「板まんだら事件(最判昭56.4.7)」については、主な争点が「板まんだらが本物か偽物か」というところにありました。
 
 
そして、この「板まんだらが本物か偽物か」ということを判断することが、②法律を適用することにより終局的に解決することができるものなのかどうかが問題となりました。
 
 
この点について、かかる争点を判断するためには、宗教上の教義に関する判断が必要不可欠です(板まんだらがどういうものか、法律のどこを探してもその規定がないからです)。
 
 
となると、法令の適用により終局的に解決することができません。
 
 
したがって、最高裁は、「法律上の争訟」にはあたらない、と判示しました。
 
 
本問のような判例知識を問う問題は、問われているポイントが何なのか、ということを意識しつつ普段の学習をしていくことが重要です。
 
 
あまり深く入り込む必要はないので、ポイントを押さえていきましょう!
 
 
今後も、試験合格に役立つ知識をお伝えしていく
予定ですので、日々の勉強の息抜きに
ご活用ください。