SKY-HI主催のオーディション「THE FIRST」から生まれた【BE:FIRST】のクラファンから見るお金の使い方
人気パフォーマンスグループ「AAA」のメンバーであり、「SKY-HI」名でソロの音楽活動もこなす日高光啓さん。
彼が主催したダンス&ボーカルグループを輩出する「THE FIRST」は、SKY-HIが自腹で1億円もの費用を投じ立ち上げた、BMSGという事務所の社運がかかった取り組み。
オーディションがはじまった当初は、SKY-HIのことを知るファンの間で話題になっており、その後SNSやネット番組、朝の情報番組「スッキリ」などを通じて、多くの人が知る話題のオーディションになりました。
この記事を書いている私自身も、「スッキリ」で「THE FIRST」のオーディションに関する映像が流れる度に、目を奪われるようになりました。
それはSKY-HI自身のオーディションにかける想いや、アーティシズムの発掘と、これから誕生するダンス&ボーカルグループを、何としても世界へ羽ばたかせるという強い意志と情熱が伝わってきたからだと思います。
見ていない人は何の事が分からないかもしれませんが、「THE FIRST」のオーディションに参加している1人1人が、情熱的で真っすぐな生き方で、彼らを見ていると忘れていた想いを呼び起こさせてくれるのです。
しかし、今回はオーディションの内容を語ると長くなってしまうので、割愛しますが彼らの勇姿を一目見たい!という人は、「Hulu」で見れるので是非見てほしい。人によって刺さらないかもしれませんが、若くして才能を持つ人が何を感じてどう行動し、どのような結果を得ていくのかは、どんな人でも何か1つ心に刺さるフレーズや姿勢が見つかると思う。
多くの人に応援され生まれたBE:FIRSTはデビュー前からファンを抱えている
「THE FIRST」は大盛況のオーディションとなり、放送を見る人も増えていきクライマックスで「BE:FIRST」というアーティスト名と共に、メンバーが決まった時は、私もそうでしたが多くの人が心躍る瞬間だったと思います。
今回のオーディションで「BE:FIRST」が生まれ、選出されたメンバーや惜しくもメンバーに選出されなかった人にも、すでにファンとしての気持ちが芽生えていた事は私も実感しています。
ここまでの流れは、J.Y. Park(本名:パク・ジニョン)氏が輩出したガールズグループ「NiziU」と似ている展開だと思う。こうしたデビュー前からファンを作っていき、デビューまでの過程をファンと一緒に作っていく姿勢は、今に始まったことではないけれど、その熱狂する空間に身を置く事は、心地よいものがある。
この感情や心理に、現代社会でストレスを感じる人がハマっていくのは、必然だと思うし、それが悪い事ではなく良い事だと私は思う。今の世の中は必要以上に情報があふれ返っており、必要以上の物が手に入ってしまう状況にある。
この状況下では、本当に必要な物や事などが蔑ろにされやすく、文化や文明・歴史、などクリエイティブな創造に対する価値が低下するリスクをはらんでいる。
本来ならこうした物や事には、一定以上の評価と尊厳が与えられるべきだが、それらへのリスペクトが失われつつある。SKY-HIの作りだした空気感と、そこから生まれた「BE:FIRST」には、そういった概念をファンと共有し、共に高め合う勢いを感じている。
SUPERSONIC 2021で見た「BE:FIRST」の活躍と来場するファン
2021年9月18日(土)・ 9月19日(日)に千葉県のZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセで開催された「SUPERSONIC 2021」で、オープニングアクトを務めた「BE:FIRST」。
その日は台風が接近しており天気は良い状況では無かったし、世界的に流行する感染症対策の影響で外出しにくい情勢の中、オープニングアクトを務める彼らを見ようと、多くのファンが押し寄せていた。
オープニングアクトなので、朝一番に「BE:FIRST」がステージに立つ。しかしSUPERSONICは座席の指定が無い為、良い席で彼らの勇姿を見るには、会場が開く前に列に並ぶ必要がある。
会場が開く前の午前8時頃にはすでに何人も人が並んでおり、雨もかなりの勢いで降っていた為、会場に入るころには皆ずぶ濡れの状態。
それでも会場はしっかりと感染対策を行いつつ、ファンたちが彼らの勇姿を心から楽しめる空気感ができていたと思う。
会場に入るやいなや、「〇〇の顔が見れるのはどこか?」「〇〇と目が合ったらどうしよう」など、各々が彼らの登場を心待ちにしながら待機している姿を見ていると、SKY-HIが目指しているアーティストとファンの関係性の素晴らしさに頭が下がる気持ちになった。
そしてオープニングアクトと立派に務めた「BE:FIRST」の勇姿を見ていると、まるで自分の子供が努力した結果を眺めているようで、嬉しくなるととも、彼らからデビューの情報を聞かされ、会場は拍手の嵐に。(感染症対策の為、声は出せないのである)
熱狂のまま次に登場したBMSGの社長である、SKY-HIの圧巻のパフォーマンスと、彼の熱意あるスピーチは会場にいた人の心に刻まれた事だろう。
そんな大盛況で終わったSUPERSONICから数日して、SKY-HIから衝撃の発表があった。それがクラウドファンディングの「うぶごえ」を利用したビッグプロジェクトだ。
クラファン「うぶごえ」で目標1億円が4億円近く集まったことが全て
2021年9月23日に始まった「THE FIRST」から始まったBMSGと共に歩んでくれる才能に投資するためのプロジェクト「THE FIRSTから羽ばたく皆にもう一億円をかけたい!」だ。
このプロジェクトはSKY-HIの想いを形にした「THE FIRST」で発掘された才能あるアーティストに対して、SKY-HIが他社の資本を入れずにアーティシズムの純度を高い状態で世に送り出す事を目的に発足している。
彼が自腹で用意した1億円はすでに大半を使いきっている状態という現状をさらけだし、ファンと共に歩みたいとする彼の一つの決意表明にも見える。
普通はこうした大きなプロジェクトを遂行していくには、金融機関などから融資という形でお金を借りる必要がある。これまでの社会システムであればなんら不思議な事ではなく、至極当たり前の手法で資金を調達するやり方だ。
しかし、昨今はクラウドファンディングという手段が生まれ、資金の調達方法に多様性が生まれてきた。この方法がきっかけで、商品やサービスに費やすお金の使い方も幅広くなっている。
だが、クラウドファンディングの構造上、多くの人が関わり資金を集める手法の為トラブルも発生している状況もある。それでもSKY-HIがこの方法にこだわったのは、彼なりに考えた上での答えなのだと私は感じている。
実際、彼の狙いどおりかは分からないが、2021年9月29日時点で、目標金額の1億円をはるかに超える3.8億円を超える資金が集まっている。今の支援者は46,000人を超えており、デビューした瞬間にちょっとした規模のライブハウスは超満員にできるほどのファンがいる事を証明した。
今、ほとんどの人が自由に使えるお金が限られている状況にあるが、その中でも自分が支えたいと思ったり、共感や感動する物に対して惜しみない支援をすることが、社会と文明を育て自分という人の形をより美しく作っていくのだと感じる。
それに気づいている人は徐々に増えており、今後もこうした思考が加速していくものと思われる。そしてSKY-HIやBE:FIRST、BMSGに所属するアーティストたちのアーティシズムが世界で大輪の花を咲かせてくれる事を切に願おう。
2022/12/14 追記
SKY-HI率いるBMSGが2023年1月から始動する新グループ「MAZZEL」を11月22日にBMSGのYoutubeチャンネルで発表した。
まだまだ進化を続ける「BE:FIRST」もデビュー1年で2022年の紅白歌合戦に出場する事が決定している。
今後も「BE:FIRST」とSKY-HIの動きも気になるが、BMSGと「MAZZEL」の動向からも目が離せない。さらに「MAZZEL」が結成されるまでのオーディションを「BE:FIRST」のように追っていくドキュメンタリー番組「MISSIONx2(ミッション・ミッション)」も、BMSGのYoutubeチャンネルで配信予定となっている。
2023年もBMSGの注目が増して行く可能性は高い。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?