飢餓の村で考えた(22)ショミティとは
「ショミティ」を覚えて
読者のみなさんにお願いがある。この本は能動的に読んでほしい。だから少しの努力をお願いしたい。生意気言ってすみません。皆さんへのお願いはベンガル語を一つだけ覚えてほしいのだ。
なぜか。これから書こうとするNGO活動のキーワードだと私は思っているからだ。それは「ショミティ」という言葉だ。「ショミティ」とは「グループ」のことを現す。なぜこの言葉が重要なのか。独立前の村社会の仕組みでは村の有力者が貧しい人たちを縦割りで支配していた。
貧しい人たち同士が横につながらないようにして村の仕組みを保っていた。しかしこの貧しさのままでは、貧しい人たちが窮地に追い込まれることは明白だった。そこで多くのNGOは伝統的な社会にはなかった貧しい人たち同士の横のつながりを作ることでこの貧困という窮地を脱出させようと考えた。
具体的な方法としては貧しい人たちを対象とした「ショミティ(グループ)」作りだ。このショミティづくりは旧来の村の仕組みにはないものだった。この頃からバングラの多くのNGOは貧しい人たちの相互扶助組織としてのこのショミティ作りの試みを始めることになった。
これよりベンガル語ではあるがグループを意味する時は「ショミティ」と表記させてもらうことにする。