型となること | 真南風乙節/唄い継いでいく 4 | 東京から唄う八重山民謡
わたしたちが教本としているのは、三線のメロディを示した工工四に、唄のメロディも書き添えられた「声楽譜付」というものだ。安室流保存会で声楽譜付きが発行されたのは1989年。そんなに古い話ではない。そう、だから、師匠が故・玉代勢長傳先生に入門したころの教本は声楽譜付きではなかった。
声楽譜付きといっても、唄のメロディの音の高さが漢字で示されているぐらいで、五線譜の音符のように音を伸ばす長さまで厳密に記されたようなものではないし、強弱のつけ方などは書かれていないのだから、声楽