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若い子が話す時に、髪を触るのって何で?【拗らせ美容師の考察】

操作イトウです。

少し前に、お客様から「若い子が話す時に、永遠に髪を触るのって何でですかね?」という質問をされました。
確かに、既視感ありますよね。

この「若い子の髪イジイジ」問題、多くの方が目にした経験があると思います。
今回はこれについて、考察します。

「あの〜、え〜っと…」

◾️なぜかティーンの「前髪バキバキにケープ」は、ずっと伝承されている

そもそもお話をいただく以前から、僕にも疑問がありました。
それは、10代の女性に多い「前髪をバキバキにケープする」ことについてです。

僕はコレを、ティーン特有の文化だと感じていました。

特に、高校生に顕著な「前髪ケープ」。
かのAKBが「前髪が命」と話題になったのも、もう10年くらい前でしょうか。
僕の学生時代にもこの文化はありましたが、脈々と受け継がれていて、今の子もトレンドがまるで違っていても、やっぱりケープしているのです。

▼ティーンの前髪に対する意識は、ぶっちぎりに高い

それ以外にも、顔周りの髪の毛のあしらいに関してはやっぱりティーンの意識が高く、「朝から洗面所を占拠して離れない」といった親御さんの声もよく聞かれます。

そして「前髪が命」なのも大学生くらいまでで、社会に出るうちに固めなくなる方がほとんど。
年齢や境遇によって、その意識は段々と緩んでいくようです。

学校生活特有の、同調圧力なのか。
世代やトレンドが変わっても、ティーンの前髪に対する意識はぶっちぎりに高く、次第に諸行無常と諦めがつくのか、そこに執着しなくなっていく様子が見て取れます。

自転車乗っても、ブレない前髪にしたい!

◾️僕がこすり倒している「前髪論」は…

まず、僕がこすり倒している「前髪論」について、お話します。
僕は「前髪で隠さずに、おでこを出した方が好印象だよ」と言い続けていますが、これはざっくり言うと、「前髪によって、相手に与える印象は変わる」というものです。

そもそも、前髪が重いと「おでこ」と「眉毛」が見えず、表情は読み取りにくくなり、「かわいい」「ミステリアス」「根暗」な印象になりやすいです。
反対に、「おでこ」と「眉毛」が見えると「大人」「精悍」「仕事ができる」ような印象を与えます。

このようにして「おでこ」と「眉毛」が見える方が表情は読み取りやすいので、相手に与える印象が変化する、というのが前髪。

翻って、「こう見られたい/こうは見られなたくない」などの「自分の心理」にも影響している、とも言えます。

前髪だけで印象が違う↑

◾️サトマイさんが、ロジカルに解説してた

これもちょっと前に拝見していましたが、僕の「前髪論」に近いお話を、YouTubeのサトマイさんが投稿されていました。
ここでは特に「自身の心理面」をロジカルに解説されていました。

今回の「若い子の前髪イジイジ」は、正にこれに当てはまっていると思います。

一応内容を抜粋すると、「人生のいろんな側面において、おでこを出すか出さないかが重要かもしれない」と称して、「デコ出し」によって対人魅力がアップする理論を説いています。

そして論拠は3つ。

①頭が良さそうに見えるんじゃないか説
②オープン性を測っているんじゃないか説
③赤ちゃんを連想させるんじゃないか説

①頭が良さそうに見えるんじゃないか説

前髪で隠れるのは「額」と「眉毛」。
無意識で人は「額の大きさ」を見て知性を測り、「眉毛」を見て感情を把握している。
前髪で隠れていると、思考力と社会性が乏しく見えてしまう。

②オープン性を測っているんじゃないか説

「前髪」「マスク」「姿勢、ポーズ」によって、社会へのオープンマインドの度合いが表れている。
隠さず見える状態はオープンな態度で、隠すことはコミュニケーションをシャットアウトしているように見えてしまう。

③赤ちゃんを連想させるんじゃないか説

人は「見た目の情報からから知性、性格を推論している」ため、顔立ちの傾向からも「恐そう」「優しそう」と連想している。
赤ちゃんのように「大きな目」「広いおでこ」「丸みのある顔」、つまり「童顔」の人は親切にされやすい。
転じて、若者が前髪でおでこを隠す心理は、『「広いおでこ」を出すと幼く見られやすいから、前髪で隠す』のでは?

◾️「髪イジイジ」は、若者のゆれる心理の表れ?

①、②は僕も同じように考えていましたが、③は僕の理解になかった考え方でした。

「おでこを出すと幼く見える」は僕の考えとは対照的なのですが、「隠して悟られたくない」といった動機としては、確かにそうなのかもしれません。

そして「前髪」は、若い人に限らずともメンタル的に重要な位置を占めている、とも受け取れます。

▼目上の人に好印象に思われたい。しかし…

「髪イジイジ」はおそらく、目上の人と会話するときに発動しているものだと察します。

目上の人を相手にする時には、相手に好印象な振る舞いをしたい。
けれどその心境は、「恥ずかしい」「緊張」「気まずい」「見透かされてるみたいで怖い」などなど、複雑なはず。

そもそも学生には、世代が上の人と接すること自体があまり無い経験かもしれません。学校生活では先生以外に目上の人はいないし、部活の先輩もせいぜい2つ上。

接したことのない世代との会話に慣れていない人が多いでしょうから、「ちゃんとしなきゃ」「よく見られたい」といった取り繕った仕草が、変になってしまうのかもしれません。

▼子供は「子供っぽい仕草」を隠さない

ウチの息子は1歳5ヶ月を迎えましたが、徐々に成長して自我が芽生え始めています。
そんな息子を観察していると、本能丸出しで「教えてもないのに、やっぱりこういう仕草をするんだ」と感じることがあります。
既視感のある「子供っぽい仕草」を、ウチの息子もしているのです。

そして子育てをしていると、周りの子にも目が行くようになります。
ウチの子でなくとも、スーパーのお菓子売り場でめちゃめちゃ地団駄を踏んでいたりとか、「やっぱりあんなジェスチャーなんだ」と微笑ましくも、親御さんは大変そうだな、と見ています。

この「子供っぽい仕草」は、成長の過程で刷り込まれているというか、身体いっぱいに表現しようとすると、こんな仕草になるんだと思います。

しかも幼い子は、それを隠すことができないし、隠そうとも考えていません。
それが大人になるにつれてジェスチャーは控えめになるものの、10代の方でも、ある程度大人になっても、無意識に出てしまうことはあるものです。

▼「髪イジイジ」は、行き場を失った「もじもじの指」説

例えば、「もじもじするポーズ」ってありますよね。人差し指の先と先を重ねるあのポーズ。
コレ自体はデフォルメされた仕草かもしれませんが、コレに近い仕草として「ほっぺをかりかりする」仕草もあります。

気恥ずかしい気持ちの時にする仕草ですが、「もじもじ」だと子供っぽさを露呈してしまうから、自然に動いてしまった指で顔をかりかりしてごまかす、みたいな感じでしょうか。

同様に、「髪イジイジ」は人差し指と親指かなと思いますが、その「ほっぺかりかり」の延長で発動しているのでは?と考えています。
出てしまった指は自然を装いつつ、前髪の形を変化させて「こう見られたい/こうは見られなたくない」とコントロールしているのではないでしょうか。

「社会性」と「羞恥心」で揺れていたり、「自己防衛」と「自己開示」の気持ちを行ったり来たりしている、と考えれば、確かにそうかもしれません。

もじもじ → かりかり → イジイジ

【結論】メンタル的にも「前髪」は重要なパーツ

日々、我々美容師は前髪に全力で取り組んでいますが、見た目やファッションがそうであるように、前髪はメンタル的にも重要なパーツなのだな、と再認識しました。
そして「髪イジイジ」は、上の世代の人とのやりとりに慣れるうちになくなっていくのかもしれませんね。

ではまた。

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