
わたしのデヴィッド・リンチも語りたい【美容師なのにライターのとりとめのない日常#25】
操作イトウです。
今回は、「美容師なのにライターのとりとめのない日常」です。
東京の二子玉川と自由が丘を拠点に、15年以上美容師をしています。ほど近い地域のマンションを購入して(たぶん) 8年目。
2023年4月に待望の第一子が誕生。
趣味は映画鑑賞、音楽鑑賞。家から出たくない派、家に帰りたい派。
#25
今更ですが、また1人、俺のカリスマがいなくなってしまった。
デヴィッド・リンチ、映画監督。

今回は、好きを語る回です。
BLACKHOLEの配信をラジオ的に聞き終えた後なので、僕にもリンチには個人的なエピソードがあったな、と。
僕にとってリンチは、映画を好きになったキッカケだと言っても過言ではありません。今でこそ映画好きを公言していますが、本格的に観るようになった20代、映画の面白さに没頭するトリガーになったのは、マルホランドドライブでした。
20代前半だったか、毎日に忙殺されて記憶も曖昧ですが。
後に映画の師匠となる、一回り以上先輩のお客さまから「あなたはこれも好きだから、観なさい!」と差し出されたDVD、それがマルホランドドライブでした。
その方は某有名劇団出身で文芸にも詳しく、僕の興味関心するネタにとても共感してくれる方でした。
「パッケージのあらすじは読まないように」と強く釘を刺され、休みの前の夜中に観たのでした。
この映画、観たことある方ならお察しの通り、内容を理解できず(初見で理解できるわけがない)。頭中のクエスチョンマークに興奮冷めやらず、観終わった明け方にそのまま2週目へ。自分の中の概要が雲を掴むようにふわっと離れ、頭中がもやもやと煙に巻かれたような印象でした。
何が起きた?なんでそうなった?正攻法では方が付かない。
僕のこの体験は、それこそブルーベルベットのカイルマクラクランよろしく「無知な若造が好奇心からアンタッチャブルな世界に触れてしまった」みたいに、見てはいけないものを見てしまって、その後の目線が全て違う世界になる、大人の階段を登るあの感触なんだと思います。
それ以来、僕は映画や何かを鑑賞する時に「作り手が何を考えているのか、何を伝えたいのか」を考えるようになりました。
そして、一貫してアートに純粋なリンチの世界に、心底陶酔していました。作品を観るたび、報われない現実は醜くも甘美。
何度観たか分からないこれを今回またアマプラで見返しても、やっぱり心揺さぶられるのでした。
ちなみに、師匠からマルホランドの次に出された宿題は「ツィゴイネルワイゼン」だったので、僕はその後しばらく、dopeでスピリチュアルでカルトな世界に堕ちていったのであります。
そんな懐かしい想い出を、リンチの死によって思い出しました。
その師匠のみならず、その時期に出会った人たち(主におっさん)から、たくさん映画や音楽を教わって、好きになって、腹落ちしたり、腑に落ちなかったりして、今に至ります。
ところで最近のアマプラ、好きな映画が充実しててビックリ。ツインピークスも見直しちゃおうかなー。
ではまた。
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