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私の家は本が床に山のように積み上がっていて、理想の本棚とは程遠いが、好きな本しか置いてないので、居心地は悪くないのだ。

〇月〇日

 近所に、赤い盥を玄関の前に置いて、大きな亀と魚を飼っている家がある。
 妻くんは通るたびに覗き込んで、
「亀、いた」
 とうれしそうに私に報告する。
「石の上に乗って、甲羅干しをしていた」
 と言うこともある。

 もしその亀が盗まれたら、真っ先に妻くんが疑われるのではないかと思い、私はひやひやする。

〇月〇日

 台風が接近した日。たまたま休み。
 軽く頭痛がするので、だらだらと音楽を聴いたり本を読んで過ごした。
 鈴木さえ子「科学と神秘」「緑の法則」。1984年、1985年のアルバムだ。
 当時はサブスクなどない。
 いまでは考えられないことだが、レンタルレコード屋が全盛で、お金がない若者は、そこで借りてきて、せっせとカセットテープに録音して聴いたものだ。
 鈴木さえ子さんがムーンライダーズの鈴木慶一さんと結婚した時期で、その関係で借りてきたと記憶している。
 さえ子さんはマルチプレイヤーで、メルヘンチックな独自の音楽を展開していた。
 鈴木さんは、その後「ケロロ軍曹」のサントラを担当しているそうだが、聴いてみたい。
 その後、ブルータスのバックナンバー「理想の本棚 WE LOVE BOOKS」を読んだりする。
 私の家は本が床に山のように積み上がっていて、理想の本棚とは程遠いが、好きな本しか置いてないので、居心地は悪くないのだ。
 「葬送のフリーレン」を読み返す。面白い。

 


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緒 真坂 itoguchi masaka
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