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「ストーカーレポート」第2話アキバメイドの悲劇㉕を更新しました。

 小説サイト「NOVEL DAYS」にて、「ストーカーレポート」第2話アキバメイドの悲劇㉕を更新しました。
 よろしければ続きは、小説サイトでご覧ください。

 証拠はつかんだ。だが、私は警察ではない。私は、いったい何をしたいのだろう。
 コンビニの店長時代、勇人には励まされた。だから、ホームに勇人を突き落とした犯人を捕まえたいのか。ふたたび鬱の気分が襲ってきた。
 考えてみれば、すべてはあんたが始まりだった、とオカジマはいった。
 その通りだ。私が由比の元妻に、由比の年金を息子である勇人に返金するというアイデアを出さなければ、勇人は殺されることはなかったからだ。結果として、ほかならぬ私が勇人を殺してしまったようなものなのだ。
「相手は人間じゃない。死神なんだ」
「死神? 馬鹿を言うな」
「おれだって知らない。だが、あいつは死神と名乗った」
「いい加減にしろ。ゆっくり休め。疲労が溜まっているのだ」
 樹海は吐息を吐き出すと、うんざりしたようにいった。
「そんなんじゃない。あいつは嘘の死神なんかじゃない。本物の死神なんだ。そのうちにとり殺される。本当なんだ」
 私は亡霊ではない。人間にとり憑いて、殺したりはしない。
「たわごとだ。罪悪感に負けて、妄想に襲われているだけだ」
「嘘じゃないんだ」
「嘘だ。幻を視ているんだよ」
 樹海は怒鳴るようにいった。


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緒 真坂 itoguchi masaka
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