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国民のため

 選挙に行くのは、国民の義務である。それはそのとおりだ。
 ただ、選挙のたびに思うのは、そのポストにどっかりと座る人間が変わるだけで、結局何も変わらない、ということである。
 私は、政治には絶望しかない。

 Sudden fiction、超短編、いわゆる掌小説です。あっという間に読み終わります。

                 *

 国民が平和で、幸せになれる国を作りたい。
 それが首相である、私の切実な願いである。
 そのために、私は、まず、意見が合わない人間を皆殺しにしようと思う。

(シリーズ「未来はありません」②)


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緒 真坂 itoguchi masaka
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