裏金スキャンダルからの脱却: 支持率最低記録をバネにした変革
『自走するチームの作り方』著者で、チームビルディングコンサルタントの伊藤じんせいです。
部下とのコミュニケーションに困っている上司の方に役立つコラムを日々、投稿しています。
最近、自民党の裏金問題が原因で政権の支持率が過去最低の16%まで落ち込んだと報道されました。
自民党裏金問題は、規制の抜け道を利用し、特に派閥による政治資金パーティーを通じた高額献金などの不適切な資金管理が明らかになった問題のことです。
この問題は自民党組織内の分裂を引き起こし、組織の信頼失墜と不正行為による危機を生じさせました。
この状況はチームビルディングの観点から見ると、重要な教訓を提供しています。
私は自民党の裏金問題は、以下の5つが主な原因だったのではないかと考えます。
組織文化: 自民党のような大きな組織では、組織文化が強く影響を及ぼし、問題を内部から指摘することが困難な環境があるかもしれません。特に、上下関係が厳格で、意見を言いづらい雰囲気や、既存の慣習に従うことが求められる組織では、不正や問題を指摘しにくくなります。
心理的安全性の欠如: メンバーが意見や懸念を自由に表現できる「心理的安全性」が欠けている場合、不正行為や問題点を指摘することが非常に難しくなります。心理的安全性が低いと、指摘したことでの報復やキャリアへの悪影響を恐れ、沈黙を選ぶ傾向があります。
利害関係: 政治資金や派閥の問題は、党員や関係者の利害が複雑に絡み合っていることが多く、これらの問題を公にすることが自身や派閥にとって不利益になると判断される場合、問題を指摘しにくくなります。
情報の非公開性: 政治的な資金や内部の動きに関する情報が限られた人々の間でしか共有されていない場合、問題を正確に把握している人が少なく、指摘が出にくい状況が生まれます。
集団思考: 集団内で同じ意見が強くなり、異なる意見を持つ人がそれを表現しにくくなる「集団思考」の状況も、問題を指摘できない一因となることがあります。
これらを改善する具体的な提案として、私は以下の3つを挙げたいと思います。
匿名フィードバックシステムの導入: メンバーが匿名で意見や懸念を表明できるシステムを設置します。これにより、批判や懸念の声を上げる際の不安を減らすことができます。
オープンドアポリシーの強化: 上層部が常にフィードバックを歓迎し、アクセスしやすいことを示すために、オープンドアポリシーを採用または強化します。これにより、コミュニケーションの障壁を低減します。
コミュニケーショントレーニングの実施: 効果的なコミュニケーションスキルと、対立や批判を建設的に扱う方法についてのトレーニングを提供します。これにより、メンバーは自信を持って意見を表明できるようになります。
私たちのコンサルティングでは、チームや組織がそのミッション、ビジョン、価値観、行動指針を毎日唱和し、朝礼や終礼、日報で何を意識したかを共有する機会を増やすことをアドバイスしています。
これにより、メンバーは組織の基本原則に沿った行動を心がけ、組織全体の倫理観を高めることができます。
組織が日々の業務でミッション、ビジョン、価値観を意識し、倫理的な行動を取ることは、長期的な成功と社会的な信頼を維持するために不可欠です。
組織の核心であるミッション、ビジョン、価値観を毎日の行動に反映させ、全メンバーがこれらを意識する文化を作り、倫理的な基準を維持するシステムを整備することで、組織は信頼を長期的に保つことができるのです。
あなたの組織では、正直なコミュニケーションや誤りを指摘し合える組織文化が作られていますでしょうか?
今一度、検証して頂ければと思います。
もし、作られていない場合には、あなたの組織も今の自民党のようになってしまうかも知れません。
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