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翠蛇の鱗

謎の自然な対等のまたとない円環に叫ぶ露地に今はまだ名付けのない裂け目と不安に盲目の橘、坂の途上、たんぽぽと盃、たちまちに戦場へ還る菜の花の青、街角、それから確かにまじかに手のひらから彷徨い歩く尋常、笹垣、警鐘、ただの木目、眼鯨、さもしい体温に持ちつ持たれつタンゴを踊る野分の月夜、三分の葦、二階の生首、二枚の葉書、たが並ぶ、獅子が岳、猛虎の湖畔、乳の匂い、眉間と弾痕晒したのは誰、尼の踊り子、泣き顔の夜、撒いた抜け殻、咲いた喧騒。

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