満天
この円環から抜け出さなければなかったのか、そもそも回る必要すらなかったのか。逆回する必要もなく、停止することもなかったのだろうか。飛び出すのか、どこへ、次の星へか、新しい世界へだろうか。眠れぬ荒野の日常に、彼女は何を問いかけるのか。何を語れというのだろうか。
調べに
虚空の
円環を投げ
あなたは
喉に
手をあずける
悲しみの川は
白く照り
黒うい底に
あなたの屑と
燃え残る灰と
踏みしだかれた雪
消えよと
散れよと
泥濘は泣く
塵は咽び
芥は喘ぐ
燃ゆ星月夜
白く灼ける空
泥は星を照らし
掬われるものはなく
叫びが遠く
耳の根元へ
反響しはじめる
夜の海の中で