ほこりの立たない部屋は
眠れない
美しい夜を遠目に
踏み荒らされた雪もなく
澄明な海に潜る
暴力ももっていない
彼女はただ眠れない夜に
座り込み
どこか静かな処はないかと
目を閉じ音に身を委ねる
酒は飲めない
煙草も吸わない
そんな夜に
白く冴えていくばかりの夜に
シンクへ置きさしのコップから
とろりと流れ出た水が
無音とも沈殿とも窒息とも狂騒とも言えないものが
彼女の胸を凌辱し
不安は孤独に耐えられず
彼女をまたその美しい夜へと
引きずりこんでしまう……
眠れない
美しい夜を遠目に
踏み荒らされた雪もなく
澄明な海に潜る
暴力ももっていない
彼女はただ眠れない夜に
座り込み
どこか静かな処はないかと
目を閉じ音に身を委ねる
酒は飲めない
煙草も吸わない
そんな夜に
白く冴えていくばかりの夜に
シンクへ置きさしのコップから
とろりと流れ出た水が
無音とも沈殿とも窒息とも狂騒とも言えないものが
彼女の胸を凌辱し
不安は孤独に耐えられず
彼女をまたその美しい夜へと
引きずりこんでしまう……