ショートストーリー「アイスキャンディーはもう買わない」
本当は、遠い田舎にでも行って、雑草に挟まれた太い道の真ん中に両手足を大の字に広げて、仰向けになりたい。からっと晴れた日に、Tシャツと短パンで。じりじりと焼けるように熱い、1本道のど真ん中に。
でも私は、もう大人。そんなことが許されないこと知ってる。やってる人がいたら、たぶん私も若干引くし。
だから、部屋の中で仰向けになる。縁側なんてない、ただのマンションの一室だけど、申し訳程度にベランダはある。そこに出るための窓は、天井からフローリングまで続いている、そこそこ大きい、普通の窓