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壱宍 (若槻きいろ)
2021年1月24日 20:36
都会の雪は雨にはじまり霙でおわる。 気まぐれに積もり跡を濁し薄くアスファルトに張り付いていく。神田川の底の底桜並木の囲まれた深さの下で雪は積もる。雨になりて霙になりて春の雪を待ち続ける。
2021年1月12日 00:12
あなたが簡単に捨てた花束を私は後生大事に抱えている。茶けて 朽ちて ばらけていつか 土に還るのに。あまりに軽く あまりに脆くあったことさえ 忘れていくのに。名も 色も 匂いも すべていつかは 地球の肥やしとなる。覚えておける保証がない。私もいつか還るのだ。それでも それでも両腕がからになるまで。(あなたは忘れてしまうのだ) #全読 #詩