刺繍の所作 糸をさばく
絹の糸の束を手でパンパンと張る。
この動作を京繍の界隈では「糸をさばく」と呼びます。
糸巻きに糸をかける前に行うこの動作には
・糸の絡まりとねじれをほぐす
・ぱんっと張ってテンションをかけることで糸にハリが出て巻き取りやすくなる
・テンションをかけることで糸艶もでる
など、いくつかの合理的な意味があります。
それを抜きにしても、
絹糸を張ったときの音はさっぱりと心地よく、
手をすべる絹の触覚は気持ち良いものです。
また、手でさばくことでツヤとハリが出る絹の特性は
生き物からうまれた自然素材だからこそ。
この美しい素材と人の手から京繍の作品は生まれます。
京都の工房では京繍の一日体験も受け付けております。時勢が落ち着いた頃にぜひ遊びに来てください。