映画「ラストマイル」は本当に傑作か? 日本の物流問題 Amazon以前から顕在化 ラジオCM素材無断差し替え、アナウンサーが放尿・・・ TBSで相次ぐ不祥事 ジャーナリズム精神は機能してるのか?
8月23日より公開された映画「ラストマイル」が大ヒットを記録している。公開から3週目までで週末映画動員ランキング3週連続1位を獲得し、すでに興収30億円を突破(1)。
本作は、世界規模のショッピングサイトの関東センターを舞台に、連続爆破事件に立ち向かう物流センターのリーダーたちの姿を描いている。
脚本家・野木亜紀子氏の高い脚本力と「アンナチュラル」「MIU404」といった人気ドラマと世界観を共有するシェアード・ユニバース作品であること、物流業界の現実的な問題を扱った社会派サスペンスとしての側面が大ヒットの要因として挙げられる。
映画の舞台となる「Daily Fast」関東センターは、Amazonの配送倉庫をほうふつとさせる設定となっている。
Amazonの主要な物流拠点で、商品の保管、梱包、出荷準備を行う場所であるフルフィルメントセンター(FC)や、FCから送られてきた商品を最終的に顧客に配送するための拠点であるデリバリーステーション(DS)が映画でも描かれている。
映画は、Amazonのような巨大企業が支配する物流システムの光と影を巧みに描き出す。一方で、映画ではあたかもAmazonばかりが「悪の権化」として描かれているところが独善的で悪質だ。
現実世界ではセブン-イレブンといったコンビニシステムやトヨタといった自動車産業なども「日本発」の強欲資本主義の代表格であり、Amazonと同様、悪質性が高い。
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強欲資本主義
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