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湖嶋いてら
2021年1月16日 20:47
『男』と呼ぶには近すぎる、片割れのような、同志のような、ぶつかり合ったり溶け合ったりした人が消えた。「もうすぐ誕生日だね。」そんな最後らしくない最後の言葉を残して、彼は突然消えた。 春が来て、同じ大学へ進学した。私達はそれぞれアパートを借りたが、ひと月もしない内に彼は私のアパートで暮らすようになった。ぴったりと寄り添い合い、一緒に寝て起きて食べていた。毎日、毎晩。買い足したコーヒーカップ